慶應義塾大学病院、SDN導入で診療用と基礎研究用のネットワークを統合

慶應義塾大学病院の新病院棟のネットワークがSDNで構築された。仮想ネットワーク別にセキュリティレベルの設定が容易にでき、秘匿性の高い患者の個人情報の保護も可能に。

» 2016年10月19日 08時15分 公開
[ITmedia]

 慶應義塾大学病院が2018年3月に完成させる新病院棟の院内ネットワークがSDN(Software-Defined Networking)で構築された。NECが10月18日に発表した。

 慶應義塾大学病院では従来、電子カルテなどの個人情報を扱う診療でのシステムと基礎研究に使うシステムが別々のネットワークとして構築されていた。

 新ネットワークでは、NECのSDNソリューションを適用し、2つのネットワークを統合。またSDNの特徴を生かし、仮想ネットワーク別にセキュリティレベルの設定も容易であり、秘匿性の高い患者の個人情報の保護が可能。これにより、基礎研究と臨床医療の連携を実現た。医師の利便性を高めて、セキュリティも確保された院内ネットワークを構築するという。

 また、ネットワーク管理者が自身でネットワークを追加・変更でき、新サービスを迅速に開始できるため、これまで数カ月かかることがあったネットワークの追加構築を数時間に短縮できるようになるとのこと。さらに、ネットワークの集中管理による耐障害性を備え、24時間連続稼働できる高可用性を実現するとしている。

 慶應義塾大学病院は今後、ネットワークの拡張に合わせてSDNソリューションの適用範囲を順次拡大していく計画。2020年までに全てSDN化する予定だという。

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