愛媛県の住友別子病院、SDN採用でネットワーク障害対策を大幅強化

NECは、愛媛県・住友別子病院の新病院に向け、SDNを活用したネットワーク基盤を構築。音声系含めた5種のネットワークの統合により、運用の効率化、可用性の向上などを実現した。

» 2016年10月05日 08時00分 公開
[ITmedia]

 NECは10月4日、医療法人住友別子病院(愛媛県新居浜市)の新病院にSDNのネットワーク基盤を構築したと発表した。

 住友別子病院は、2016年10月に診療を開始する新病院のネットワーク基盤としてSDNを採用。課題だった運用管理の効率化、可用性の向上、高信頼性の確保などの実現を目指した。NECは住友電設と連携し、SDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」やレイヤー2・レイヤー3スイッチ「UNIVERGE QXシリーズ」、コミュニケーションサーバ「UNIVERGE SV9500」などを導入し、今回のネットワーク基盤を構築した。

 新基盤では、ネットワークを仮想化し、1つの物理ネットワーク上に基幹系(電子カルテなど)、情報系(職員用グループウェアなど)、開放系(外来患者向けインターネット接続サービスなど)、セキュリティ系(監視カメラなど)に加え、音声系(電話)も含めた5種のネットワークを統合。これにより、専用の電話線や構内PHS用アンテナが不要になり、ネットワーク機器も削減できるため構成がシンプルになり、運用管理の効率化を実現した。なお、各ネットワークは論理的に独立しているため、相互に影響を与えず、通信品質やセキュリティも確保される。

 また、SDNにはループという概念がないためループ障害が起こらず、耐障害性が向上する。万一ネットワーク障害が起きても自動迂回でき、GUIによるネットワーク全体の構成と通信状態の可視化を利用して障害発生時でも通信を遮断することなく、障害箇所の迅速な特定・復旧対応ができる。

 さらに、ネットワークの構成変更や機器増設の際は、各機器に対する設定変更を一元的に実施できるので、今回新たに導入した外来患者向けインターネット接続サービスをはじめ、医療の変化に迅速かつ柔軟に対応できるようになり、可用性の向上を実現。併せて、将来的なサービス向上への対応や現場での各種情報の利活用を見据え、職員用端末としてPHSに代わりスマートフォンを導入した。

Photo NEC SDN Solutionsのソリューションメニュー(NEC資料より)

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