NEC、ANAの国際線予約システムと社内システムの連携基盤を構築

ANAは、クラウド型国際線旅客システム「Altea」と同社の社内システムとをつなぐ「大規模データ連携基盤(CAP2)」を構築した。

» 2016年10月03日 08時10分 公開
[ITmedia]

 NECと日本オラクルは9月30日、全日本空輸(ANA)に対し、クラウド型国際線旅客システム「Altea(アルテア)」とANAの社内システムを連携させる「大規模データ連携基盤(CAP2)」を構築したと発表した。

 ANAは、国際線旅客事業の強化を推進しており、国際線旅客システムをグローバル各社との迅速な連携が可能なAmadeus社のAlteaに移行した。その際、旧国際線旅客システムからの移行に当たり、Altea特有の複雑なデータ形式への対応や、データベースのボトルネック回避のための大量・高速なデータ送受信、旧国際線旅客システムと同等な機能および高いサービスレベルの維持などが課題となっていた。

 そこで、Alteaに対応し、社内の複数システムと大量のデータを高速かつシームレスに連携する共通基盤としてCAP2に刷新。NECが過去に構築したANAの共通基盤システム(CAP)の実績とミッションクリティカルな基盤への知見をもとに構築したもので、国際線の予約から出発業務まで安定したサービスを実現するという。

 新基盤では、データ提供サービス基盤としてオラクルの高速データベースマシン「Oracle Exadata Database Machine」を採用し、約1億件にも及ぶ大量の予約データを高速に処理し、24時間稼働するオンライン業務へ影響を与えることなくバッチ処理も並列で実行可能な環境を構築した。

 また、Alteaと各社内システム間のデータ連携基盤として「Oracle SOA Suite」を導入し、Alteaから受け取ったデータを適切に変換して社内システムへ配布する仕組みを構築。

 さらに、運用監視を担うサービスマネジメント基盤として既存の共通基盤(CAP)で運用実績のあるNECの統合管理ソフトウェア「WebSAM MCOperations」を活用し、「Oracle Exadata」を含めた350台超のサーバやネットワーク機器を一元的に運用管理する。また既存の共通基盤(CAP)と本基盤の管理画面を統合することで、両基盤の障害箇所をダイレクトに発見可能にし、運用性を向上させた。

 NECは、本基盤を2年間という短期間で構築し、スムーズな移行を実現。既に本基盤の稼働率は99.995%以上を有するということで、今後もデータの高速処理と合わせて継続的かつ安定した運用を行っていくとしている。

Photo 今回構築された「大規模データ連携基盤(CAP2)」

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