三井化学が目指す、生産現場のAI活用とITインフラのカタチとは?(2/3 ページ)

» 2016年11月01日 08時00分 公開
[ITmedia]

20年前といまのAI活用

 AIとIoTの活用について同社は、ネットワークインフラやITシステムに強みがあるNTTコミュニケーションズと共同検証を実施した。NTTコミュニケーションズ 技術開発部 データサイエンス & AI Technical Unitの伊藤浩二氏は、IoTデータの時系列性や複数種類のデータの組み合わせから意味づけができるディープランニングの活用がポイントになると解説する。

 例えば、化学プラントにおける取り組みでは、生産システムのプロセスデータと各種センサの情報を組み合わせ、時系列でコンピュータが学習していくことで、ある事象が生じる条件などを抽出する。学習を繰り返すことでその精度を高めていき、事象の発生を予測することができるようになる。

化学プラントにおけるディープランニング利用のイメージ

 同社の検証では、ディープランニングを用いて事象が発生する20分前に最も精度が高い予測を行うことが可能だといい、その誤差はプラス・マイナス3%だった。各種の誤差でもプラス・マイナス2%程度とされ、異常などの発生を予測して、それが起きる前に対処できるという。

ディープランニングによる高精度の予測が可能になってきたという

 十河氏によれば、同社では20年ほど前にもディープラーニング技術を検証したことがあった。しかし当時は、学習のためのデータを作成することが非常に大変で、学習データを実際の環境に適用してもほとんど予測通りにならなかったという。また、学習データを常に更新していく手間があり、担当者の人事異動などでノウハウを継承できないといった問題もあった。

 NTTコミュニケーションズとの共同検証は、2015年末から2016年3月まで行われ、実際にディープラーニングを活用できるかの確認を進めた。結果的に上述の問題が現在の技術であればクリアできることが認められ、今後の技術の進歩も期待できることから、三井化学では、生産システムの異常検知といった課題への適用を今後検討していくという。

 AIとIoTの活用で十河氏は、複雑な生産システムにおける問題の原因究明や異常の早期検知、機器の劣化予想に基づく保全の最適化が期待されると述べている。

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