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» 2016年12月19日 08時00分 公開

変化を嫌う現場の“抵抗勢力”、3つの攻略法失敗しない「外資系」パッケージソフトとの付き合い方(2/3 ページ)

[吉丸新一郎(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]

導入プロジェクトを阻害する「問題点」

 まず、冒頭で顧客担当者側のAは、「現状のやり方があるから変えられない」というスタンスで話をしています。その理由は、自分(自部署)にとって不利益をもたらすため――この例だと、取引先に説明するのが面倒と感じているためです。

 「事なかれ主義」などと言われることもありますが、関係者と対立するような構造をできるだけ避けたいと思う気持ちは理解できます。しかし、プロセスを電子化したからといって、取引そのものがなくなる可能性は低く、その不利益は一過性である可能性が高いです。そのために、将来継続的に得られるであろう利益を失うことになりかねません。

 次に、「本部長にはやり方は現場で決めていいと言われている」点も問題です。これもよくある話で、決裁は上長がするが、現場の詳しい事情を知らないため、現場がフロントに立つというパターンです。

 権限を上から下に委譲するのは、取り組みの俊敏性や柔軟性を高めるために推奨すべきことではありますが、それはあくまで「プロジェクトの目的や意義」に沿った上での話です。企業がその取り組みを行う動機を「ビジネスドライバー」と呼びますが、それがプロジェクト担当者に正しく伝わっていない場合、当初の目的とは真逆の決定をしてしまう可能性があるのです。

photo ソフトウェア購入の目的や意義が導入担当に正確に伝わっていないとこうなってしまいます

 最後に「そこは私の責任範囲ではないので」というくだりも、パッケージソフトウェアの導入では大きなカベになります。日本に限った話ではありませんが、組織がサイロ化され、それぞれ縄張りを主張するように「俺のシマに手を出すな」という雰囲気がある場合、自分の手の届く範囲で物事を解決したくなるものです。

 ただ、私たちが扱うソフトウェアの仕事は、お客さまにとって、少なくとも数千万円、場合によって億単位の投資になることもしばしばで、一部門の決裁ではなく、社長または取締役会といった経営層で意思決定されるケースが多いです。

 その場合、部門を超えた会社としての投資となるため、担当者も会社全体の利益のために動くのが“筋”ではありますが、十分に権限が与えられていないため、どうしても局所的な対処を優先してしまいます。そして結局「何も変わらなかった」となってしまうのです。しかし、その根底には“変えようとしない”意志がはたらいているため、当然の結果ともいえるでしょう。

 このような失敗に陥らないためには、どうすればいいのでしょうか。

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