仮想通貨の根幹として注目を集める分散型台帳技術「ブロックチェーン(block chain)」。その仕組みと検討が進む適用分野などについて解説します。
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
「ブロックチェーン(block chain)」とは、複数のシステムで取引履歴を分散管理する技術のことです。これには暗号技術とP2Pネットワーク(通信ノード間で中継を介さず直接通信する)技術が使われており、第三者機関による証明がなくても取引の正当性を証明でき、データの改ざんを困難にしています。
ブロックチェーンは、もともと「政府や中央銀行による規制や管理を受けることなく、誰もが自由に取引でき、改ざんなどの不正ができないインターネット上の通貨」として開発された「ビットコイン(Bitcoin)」の信頼性を担保するための基盤技術として、サトシ・ナカモトと名乗る人物が論文中で初めて原理を示したことが誕生のきっかけとなっています。
この論文に基づいて有志の協力によりオープンソースソフトウェア(OSS)としてビットコインが開発され、2009年より運用が始まっています。運用が開始されて以降、改ざんなどの被害を受けることなく取引が継続されており、その仕組みの有効性・信頼性については認められつつあります。
なお、日本にあったビットコインの取引所Mt.Goxのシステムが2014年に不正侵害による窃盗行為によるものとして取引が停止され、大きな社会問題になりましたが、これはビットコインそのものの問題ではなく、ビットコインの取引を仲介するシステムの問題であり、これによってビットコインそのものの信頼性が侵害されたわけではなく、両者は分けて考えなくてはなりません。
このビットコインの信頼性を担保する基盤となったブロックチェーンは、「複数のシステムで取引(トランザクション)の履歴を分散共有し、監視し合うことで、取引の正当性を担保する仕組み」です。
一般的な取引では、法律や規制、あるいは実績によって信頼される第三者機関や組織が、取引の正当性を保証し、その取引の履歴を一元的に管理することで信頼性が担保されていました。これに対して、ブロックチェーンの技術を使うと、
この一連の仕組みにより、膨大な複数のノードによる取引の履歴は分散共有され、取引の存在と正当性が特定の第三者に頼らなくても証明されるのです。また改ざんしようとしても、分散共有された膨大な数のブロックチェーンの特定のブロックをほぼ同時に改ざんしなければならず、結果として改ざんが不可能になっています。例えば、ビットコインの場合は、膨大な数のノードが四六時中ブロックチェーンの更新を行っており、この全てのノードの51%以上を同時に改ざんしなければ、改ざんは成立しません。これは、強力なスパーコンピュータを駆使しても改ざんができない規模となっており、現実的には改ざんができないようになっているのです。
また、ブロックチェーンでは取引者の情報は暗号化されているため、取引の内容は公開されても取引者の具体的な情報にひも付けされていないので、匿名性は担保されています。
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