老舗温泉旅館「一の湯」、Oracle Service Cloud導入でカスタマーサービスを拡充

300年以上続く箱根温泉旅館の老舗「一の湯」が、オラクルのカスタマーサービス支援クラウド「Oracle Service Cloud」を採用。自社Webサイト経由の予約客増加とインバウンド需要に向けたサービス拡充を目指す。

» 2017年03月10日 09時30分 公開
[ITmedia]

 箱根の老舗温泉旅館を運営する一の湯が、カスタマーサービスを支援する「Oracle Service Cloud」を導入。「Webセルフサービス機能」を活用し、英語での対応も可能な問い合わせサイトを拡充した。

 一の湯は、箱根塔ノ沢の温泉旅館「一の湯」をはじめ、箱根町を中心に複数の温泉旅館を経営。サービス産業生産性協議会主催の「ハイ・サービス日本300選」を受賞するなど、カスタマーサービスの向上に継続的に取り組んできた。昨今では、海外からの宿泊客が増加しており、2016年は約40%が海外からの利用客となっている。

 国内外からの利用客は予約の際、約30%がオンライン宿泊予約サイト経由、約40%が自社Webサイト経由と、全体で約70%がWebサイトから情報を得て予約を行っており、同社は自社サイト経由での申し込み数増加に向けてWebサイトの拡充を検討していたという。加えて、繁忙期には限られた人数のオペレーターだけでは問い合わせの電話に対応しきれないケースもあり、カスタマーサービスの改善も課題となっていた。

 そのため、問い合わせ件数を抑え、Webサイトから得られる情報で利用客の自己解決を促進し、日本語・英語で対応できるカスタマーサービスの仕組みとして、今回Oracle Service Cloudを導入した。

 Oracle Service Cloudは、人工知能を搭載し、問い合わせ情報を一元的に蓄積・管理してナレッジ(知恵・知識)として活用。問い合わせ頻度の高い質問への回答を優先的にWebサイトに表示するWebセルフサービス機能によって、利用客の自己解決を支援する。

 また、各旅館のオペレーターが応対する質問や回答のうち共通する情報を内部で共有できるため、均一な回答を迅速に提供できるようになるという。

 同社は今後、自社Webサイトを訪問した利用者に向けて、事前の情報収集・予約から帰国後までの顧客体験を一元的に管理し、継続的なカスタマーサービスの向上を目指すとしている。

Photo Oracle Service Cloudの提供する主なサービス(日本オラクル 「Oracle Service Cloud」サイトより)。人工知能を活用したナレッジベースにより「Webセルフサービス」や蓄積されたナレッジの共有などを実現し、カスタマーサポートを支援する

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