日立は、大量データを高速に分散処理するイベント駆動型フレームワーク「HAF/EDC」をIoT向けに強化。IoTに適したフレームワークを活用し、短期間でのシステム構築や仮説検証を支援する。
日立製作所は、大量データの高速分散処理が可能なイベント駆動型フレームワーク「Hitachi Application Framework/Event Driven Computing(HAF/EDC)」のIoT向け機能を強化し、9月1日から販売を開始する。
HAF/EDCは、位置情報やセンサー情報といったデータの発生(イベント)を契機として、データの種別に応じた処理が可能なイベント駆動型のシステム開発およびアプリケーション実行基盤。さまざまなデータ種別や処理方式に対応でき、データの増加に追従しやすいため、IoTのシステム設計、開発に適しているという。
今回、IoTに共通して必要となるデータ処理モデルを、「格納」「分析」「参照」のプロセスであらかじめ定義し、それらの標準的な手順に沿ってデータを効率的に処理できる「IoT共通フレームワーク」を新たに製品化。
収集したデータをデータレイクに格納し、人工知能などの分析エンジンと連携してデータを分析。データの可視化ツールを用いて分析結果を参照するという一連のフレームワークに沿ってシステムの効率的な設計、開発が可能になり、短期間でIoTシステムの構築を実現できるという。
データの「格納」「分析」「参照」で必要となる各種ソフトウェアと連携する仕組みも備えており、利用するソフトウェアも定義ファイルベースで容易に置き換えられる。「Apache HBaseやApache Spark、機械学習ツールのKNIMEなどのOSSとの連携も容易に行える」(日立製作所)とのことで、効率的な仮説検証を実現できる。
HAF/EDCの分散処理技術により、「格納」「分析」「参照」の全フェーズにおいて、複数サーバで大量データを高速に分散処理し、処理時間を短縮可能。また、クラスタ構成を自動的に拡張できるため、仮説検証環境から商用システムへ移行する際には、サービスを止めることなくシステム規模を拡張でき、スムーズな移行が可能だという。
同社は、HAF/EDCをIoTプラットフォーム「Lumada」を構成する中核アーキテクチャの1つとして位置付け、大量のデータ処理を伴う電力や交通などの社会インフラ分野や、製造、流通、金融分野などを中心に展開していく考えだ。提供開始は2017年9月29日の予定。
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