若手社員に最も重要になるのは、モチベーション向上の法則としても知られる「マズローの欲求5段階説」でいう第4階層の「承認(尊厳)欲求」をいかに満たしてあげられるか? だと考えます。
なぜ若手社員に承認(尊厳)欲求が必要なのか? それは、下から強く頼られる立場でもなく、上から頼られる立場にもなりにくい若手社員が、最も感じにくいのが承認(尊厳)欲求だからです。
では、何を基準に承認(尊厳)欲求は満たさせるのでしょうか? 主に「評価結果」「賃金などの数値結果」「成長実感」の3つが該当します。
「どんなに福利厚生が充実していても、自分や他者から認められていない」と思っている人と、「多少福利厚生が充実していなくても、自分が自分自身を認められるような結果や成長実感が得られ、他者からも認められている」と思っている人を比較した場合、どちらがこの会社で仕事を続けたいと思えるのかを考えると、承認(尊厳)欲求が満たされている後者なのは明らかだと思います。
特に入社して3年目未満の若手社員は、「自分の力が会社にどう発揮されているのか」「貢献できているのか」が自分では測りにくい“はざまの期間”にいるといえます。だからこそ、何が良いのか、どこを改善するべきなのかなどを伝え、本人自身がそのフィードバックを基にいかに自己承認や他者承認につなげられるか、が重要になってくるのです。
つまり、今後のマネジメントには、若手社員を一社員、一人間として見て、何が今必要なのかを考えることが必要になってきます。
マズローの欲求5段階は、第1階層:生理的欲求(食事、睡眠など)、第2階層:安全欲求(経済的安定性、健康状態の維持、暮らしの水準)、第3階層:社会的欲求(集団に属する、仲間を欲する)、第4階層:承認(尊厳)欲求(自分を認める、他己に認められる)、第5階層:自己実現欲求(夢を実現する欲求)で構成されています。社員の成長のステージをこの5階層で考えたときに、「今どこでつまずいているのか?」をマネジメントする必要があるのです。
※ちなみに、「承認(尊厳)欲求」は、さらに「自己承認」と「他己承認」に細分化することができます。
仕掛けももちろん必要ですが、今のマネジメントに根本的な問題がないかどうかを見直す機会になればと思います。
『個人(タレント)』と『組織』の両方に適切な刺激を与え、行動変革を促すことにより、業績向上に寄与する「組織活性化コンサルティング」「タレントマネジメントの推進」を行っています。
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