日本マイクロソフトが、2020年の「Windows 7」「Office 2010」の延長サポート終了に向けて動き出した。
日本マイクロソフトが、「Windows 7」と「Office 2010」の延長サポート終了に向けて、早くも移行支援の取り組みを始めようとしている。
Windows 7延長サポートの終了は2020年1月、Office 2010の延長サポート終了は2020年10月に控えており、ちょうどその間に、東京オリンピックが開催されることになる。
平野拓也社長は、「『Windows XP』のサポート終了時には、不要な特需を生み出し、多くのパートナー企業に迷惑をおかけした。特に、中小企業や公共機関に対する認知徹底が遅れたという反省がある。2020年のWindows 7とOffice 2010のサポート終了に向けたキャンペーンやメッセージの発信は、早めに取り組んでいく」と意気込む。
Windows XPの延長サポートが終了した2014年4月は、消費税増税前の“PCの駆け込み需要”が重なり、国内PC市場は過去最高の出荷台数を記録した。しかし、それによって市場全体でPCが品薄となり、延長サポート終了後も対策が間に合わなかった企業での導入が続き、4、5月も前年実績を大きく上回る出荷実績になった。
さらに、その後は23カ月連続で出荷台数が前年割れとなるなど、PCの需要が低迷。PC業界はまさにWindows XPの延長サポート終了に振り回される結果になった。平野社長が「不要な特需」と表現する理由もそこにある。
今回のマイグレーション施策で日本マイクロソフトが最も重視するのが「アウェアネス」だ。
「Windows XPの延長サポート終了時を振り返ると、情報が伝わっていなかったことが、不要な特需を生み出したといえる。基本動作として、第1フェーズとしては、アウェアネスを高めていくことに力を注ぎたい」(平野氏)
Windows & デバイスビジネス本部の三上智子本部長も、「2017年の4月と7月に開催したプレス向け説明会での発信に続き、随時、情報を発信している。特に、公共機関に対して早い段階から情報を発信することが大切だと考えている」としている。
これらの活動が本格化するのが、同社の事業年度で2018年度下期に突入する2018年1月。延長サポート終了のちょうど2年前のタイミングだ。
「2018年1月には、パートナーにも多くの移行メニューをそろえていただき、本格的に移行キャンペーンを推進したいと考えている。今はパートナー各社とのその準備に向けた話し合いを積極化している」(三上本部長)
“延長サポート終了の2年前”という余裕を持ったタイミングで、パートナーを巻き込んだ本格的な移行キャンペーンを開始する計画だ。
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