2017年、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)は、専用ヘッドセットに製造上の難易度や価格の問題などがあったため、ユーザーの裾野の広がり方に停滞が見られる場面もあったが、マーケティング用途を筆頭に多くの分野で、初期的なビジネス利用が始まった。
IDCは、2018年は、ビジネス利用の拡大に弾みがつき、今後の利用拡大の素地を確立するためのUI(ユーザーインタフェース)に関する技術の標準化がスタートするとみている。
また2018年は、業務における音声活用の元年になるとIDCはみている。AIスピーカーの国内販売開始なども追い風になり、2018年には音声対応AIプラットフォームのモバイルアプリケーションでの実装検証が開始され、2020年までにさまざまなエンタープライズ向けスマートフォンアプリで音声対応のAIが採用され、業務での音声入力が本格化する見通しだ。
すでに、LINEやFacebook MessengerなどのSNSやメモなどを取るモバイルアプリ上で、音声入力や文字読み上げ、翻訳などの音声インタフェースが利用できるようになっている。今後も業務における活用が進み、2019年以降には、音声による会議議事録作成、ボイスメール、音声による認証システム、業務書類の読み上げ機能など、音声の文字変換、文字の音声変換が業務において有用性を増すとみている。
IDCは、DXの本格化を迎え、企業の情報システム部門や情報システム子会社は、岐路に立たされていると指摘する。
DXが企業の戦略的な課題とされる中、クラウド、AI、IoTなどの新たなデジタルITに対する理解や、それらをビジネスに生かすための適切な導入手法、業務変革を手掛けていく能力といった、DXが要請するスキルや能力と、情報システム部門や情報システム子会社が持つスキル、能力とのミスマッチが顕在化している。企業では、自社に最適な情報システム部門/情報システム子会社の在り方を、コンサルティングファーム、ITサプライヤー、他社の情報システム部門など、外部の企業と模索していく動きが強まる見込みだ。
こういった課題解決のために、「情報システム部門変革コンサルティングサービス」のようなパッケージ化されたコンサルティングメニューを準備するコンサルティングファームやITサプライヤーも多く、そういったサービスはすでに幾つか見られる。IDCは、このような正解がはっきりしない課題にこそ、ITサプライヤーが昨今重視する「共創」のアプローチが有効であるとみている。単に情報システム部門/子会社からの視点だけではなく、企業全体のDX、社内外データの効率的/有効な活用、DXシステムと既存ITシステムとの連携、ITガバナンスの在り方など、多くの視点が必要になるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.