ルーターというと、“動いているのが当たり前”であり、通常は部屋の片隅でホコリをかぶっているような存在です。とはいえ、これも立派なIoT機器。ネットにつながり続ける機器に関しては、攻撃者も注目し続けており、脆弱性がないかどうかをチェックしているはずです。
特に昨今では、DDoS攻撃が容易に行えるようになってしまっています。このコラムでも2015年に、“いかに簡単なのか”を紹介しており、おそらく現在ではそのコストがさらに半額以下に下がっているはずです。その理由は、攻撃に使うデバイスの調達が簡単なこと――つまり、「あなたのルーターやIoT機器が踏み台になっているから」かもしれません。
その意味で、今回の脆弱性に対する回避策として提示された「買い換えましょう」という案内は、誠実だと思っています。むしろ、ベンダーとしていいにくいことをはっきり言ったこの対策には共感できます。何しろ、この製品の発売は、もう5年も前ですからね。
無線LAN規格も2018年後半に向け、新たな規格「WPA3」が登場する予定です。私もこのタイミングでルーターを買い換えようと思っています。インターネットにつながる機器はある意味「消耗品」と考え、安全確保のために定期的に見直しをする必要がありそうです。
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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