山岳での遭難救助などにドローンを活用するための実証実験を、ソフトバンクが北海道で行う。携帯電話が発信するGPS信号を上空から捉え、遭難者の位置を特定するという。
ソフトバンクは、雪山や山岳地帯などでの遭難者救助を目的に、遭難者のスマートフォンや携帯電話が発信するGPS情報を受信する「ドローン無線中継システム」の実証実験を、2018年4月下旬から北海道広尾郡で実施する。
実証実験の概要は、2016年8月31日から2017年3月31日の間、総務省北海道総合通信局から請け負ったものと同様だ。その際は、無線中継システムを搭載したドローンと係留気球(ロープでつなぎとめて、任意の高さの空中に浮遊させる気球)を活用し、雪山での遭難者を想定して約4メートルの深さで雪に埋めたスマホ・携帯電話の位置を、約100メートル上空から特定した。
今回の実験は、北海道広尾郡に位置する大樹町多目的航空公園とその周辺で実施する。過去の調査実績と経験を踏まえ、救助活動現場への導入に向け、改良したドローン無線中継システムの実用性を検証する。
今回のシステムでは、複数の移動通信事業者(MNO)の電波を同時に無線中継し、それぞれのMNO端末とデータの送受信が行える無線中継機能や、無線中継装置を搭載したドローンを移動通信ネットワーク経由で遠隔操縦する機能など、新たな機能を実装した。ソフトバンクは、実証実験後にシステム運用課題などを含めた結果を公表する予定という。
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