さらに、船舶の自動航行までを見据えた操船ソリューション、「INFINITY Command」を開発することも発表した。船舶操舵を行うキャプテンが、IoTやAI、ビッグデータを活用することで「デジタルキャプテン」に進化。陸上から複数の船舶をコントロールできるようになるという。実用化に向けては、日本マイクロソフトと検証を進め、2030年のサービス開始を目指すという。
近未来に登場する「デジタルキャプテン」は、HoloLensなどを通じて、遠隔地にいるデジタルキャプテンと3D海図を共有。航路、天候、海底地形などの情報をAIを活用しながら確認し、船舶の安全や海上輸送の正確性を確保し、効率性を高められるという。
なお、JRCSでは、今回の協業に合あわせて、同社内に、4月1日付けで、デジタルイノベーション推進室を設置し、これらのプロジェクトを推進することになる。
JRCS社長の近藤高一郎氏は、「海運・海洋産業は、環境が厳しい職場という認識があり、日本の若者から敬遠されている。そのため、日本人で船員を希望する人が少なく、外国人船員が増加している。『海運・海洋産業はワクワクする業界』という認識を持ってもらえるように、業界全体に輝きを取り戻す取り組みが必要」と前置きし、「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を通じて、海洋業界のイメージを変えられないかと思っていたところに、JALや小柳建設がHoloLensを利用して、業界を変えようとしていることを知った。2018年1月に、米シアトルのMicrosoftのラボを訪問したところ、よい意味でショックを受け、これは必ず行けると感じた。若い人たちの海運に対するイメージを変えたい。それを実現できるのがHoloLensだと確信している。この取り組みをきっかけに、将来的には売上高の6割以上をデジタルによるものにしたいと考えており、デジタルによって、新たな価値を市場に提供できる企業にJRCSを変貌させたい」と述べた。
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