プロビジョニングパッケージではどうしてもインストールできないアプリケーションがあるならば、やはり、それをマスターイメージに含める必要があります。その場合は、クローニングとのハイブリッド運用になるでしょう。
PCと必要最低限のドライバー、そして最低限のアプリケーション(サイレントインストールに対応していないもの)をインストールした状態でマスターイメージを作成し、多くの設定やアプリケーションをプロビジョニングパッケージとして適用します。
なるべく多くの設定やアプリケーションをプロビジョニングパッケージとして外部化し、機種固有のイメージに含める部分を少なくすることで、マスターイメージの再作成にかかる労力を減らすことができます。
なお、プロビジョニングパッケージとは異なりますが、マスターイメージからのクローニングとタスクシーケンスと呼ばれる設定や、アプリケーションインストールを全て自動化するMicrosoft Development Toolkit(MDT)というツールが無償で提供されています。MDTは、2003年にBusiness Desktop Deployment(BDD)1.0としてリリースされたものが起源です。
これまでは、クローニングを重視してMDTを運用する企業が多かったとは思いますが、MDTを使っているのであれば、今後は環境とアプリケーションを外部化して、マスターイメージに含めるものを大幅に減らし、タスクシーケンス中心にすれば、現実的なWindows 10の運用が見えてくると思います。
MDTは単一のイメージを複数機種に展開し、それぞれの機種ごとに必要なドライバーを自動で適用する機能もあります。複数機種のイメージを効率的に運用できるので、すでに運用中の方はこの機能も使ってみてください。
さて、次回は第2回でも触れた、管理者を大いに悩ませているもう1つのポイント「デカすぎるWindows 10のアップデートファイル」、この課題の解決方法に迫ります。お楽しみに。
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