AIで取引先企業の業況変化を早期に検知 三井住友銀行が導入

三井住友銀行は、取引先企業の口座取引の動きから経営状態を把握する「企業の業況変化検知システム」を導入。事業支援・改善に向けた提案などにつなげる。金融機関などに外販も開始。共同開発したJSOLが営業、導入、保守を担当する。

» 2018年09月27日 16時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 三井住友銀行は2018年9月26日、AIを活用して取引先企業の口座状況から業況変化を検知する「企業の業況変化検知システム」を2018年度中に導入すると発表した。また、金融機関を中心に外販も開始する。

 既存のシステムでは、取引先企業の決算書など財務データを用いた業況変化を分析するため、業況変化をタイムリーに予測することが難しかった。新システムでは、AIが取引先企業の口座情報の動きを分析。いち早く業況変化を把握し、事業支援・改善に向けた提案などにつなげることができる。

Photo 「企業の業況変化検知システム」の概要図

 同システムは、三井住友銀行とJSOLが2017年から共同開発を進めてきたもの。実証実験や試行を経て、既存のシステムより早いタイミングで高精度に業況変化を検知できることを確認したという。

 金融機関の業務品質向上を支援するソリューションとして、金融機関を中心とした外部企業向けに販売も開始。SMBCグループの日本総合研究所とNTTデータが出資するSIerのJSOLが、営業、導入、保守を担当する。JSOLでは、同システムを、NTTデータが提供する金融機関向けクラウドプラットフォーム「OpenCanvas」上のクラウドサービスとして提供する予定としている。

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