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» 2019年10月29日 07時00分 公開

半径300メートルのIT:豊かな学びは「サブスク読み放題」から?  読書で伸びる子どもたち (2/2)

[宮田健,ITmedia]
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紙の本より電子書籍が有利? 手軽に読める環境の利点とは

 「小学生の読書に関する実態調査・研究」の調査は、ベネッセが提供する電子書籍サービス「電子図書館まなびライブラリー」の利用者を対象にしています。

 電子図書館まなびライブラリーでは、定期的に入れ替えられる1000冊の本が読み放題で提供されます。子どもたちは、最新の児童文学や人気コミックのノベライズをいつでも選べるというわけです。この「サブスクリプション図書館」で電子書籍に親しむ子どもの学力が伸びているというのは、希望の持てる結果だと思います。

 かつての本は、本屋で表紙やタイトルを見て選ぶものでした。私の場合、学研さんの「○○のひみつ」シリーズなど、安心して読める(と親も思っている)ものを好んで選んでいました(余談ですがこのひみつシリーズ、無料で読める「サイバーセキュリティのひみつ」もあるのでぜひ)。

 電子書籍の読み放題サービスには「ひとまず開いてみて、面白そうなものを探す」という立ち読み環境が完成しています。教育分野における「読み放題」は、子どもたちの好奇心を育てる、理にかなったサービス形態なのかもしれません。

“子ども向け○○ホーダイ”時代の大人たちの役目

 このような時代、大人が果たすべき重要な役目に「キュレーション」があると思います。それは、一時ネット上に乱立して「パクリ」や「違法すれすれ」と呼ばれた質の低いキュレーションではなく、博物館や図書館でプロがしているような「既存の情報を新たな価値観でつなぎ合わせ、共有する」という本来の意味でのキュレーションです。あまりに自由すぎても、大人の価値観を押し付けるだけでも、子どもたちの多様性は育たないでしょう。

 世の中には子ども向けのサービスがたくさんありますが、中には「子供だまし」としか言いようがないものもたくさんあります。わが家でも、子供がYouTubeを見るようになってしまいました。子どもにタップさせることだけを狙った低品質なコンテンツに閉口し、このようなサービスをキュレーションしてしまった自分に責任を感じています。

 子どもたちの可能性は無限です。可能性の幅を狭めないためにも、良質な「使いホーダイ」サービスがたくさん登場し、それらの中から私たち親が適切に選んで子どもに与える判断力を持つことが重要なのかもしれません。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

『Q&Aで考えるセキュリティ入門「木曜日のフルット」と学ぼう!〈漫画キャラで学ぶ大人のビジネス教養シリーズ〉』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

2019年2月1日に2冊目の本『Q&Aで考えるセキュリティ入門 「木曜日のフルット」と学ぼう!〈漫画キャラで学ぶ大人のビジネス教養シリーズ〉』(エムディエヌコーポレーション)が発売。スマートフォンやPCにある大切なデータや個人情報を、インターネット上の「悪意ある攻撃」などから守るための基本知識をQ&Aのクイズ形式で楽しく学べる。


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