NICTとNECは、顔認証などの生体認証データを「量子暗号」技術と「(k,n)閾値秘密分散」技術で伝送・保管する高秘匿・高可用なシステムを共同で開発。既に技術検証を完了し、ナショナルチームのスポーツ選手用電子カルテなどの管理で試験利用を開始した。
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国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)とNECは、顔認証などの生体認証システムで得る生体認証データを「量子暗号」を用いた高秘匿技術で伝送し、生体認証時の参照データを「(k,n)閾値秘密分散」(以下、秘密分散)を用いて保管するシステムを共同開発し、実証に成功したと発表した。
量子暗号は、量子鍵配送(QKD)装置から供給された暗号鍵を種鍵(たねかぎ)として使用する共通鍵暗号(ワンタイムパッドまたはAES)方式を用いたデータ伝送技術で、データレイヤー上の重要通信を直接、高速暗号化(100Mbps〜1Gbps)する統合型暗号化システムに用いられる。
また、(k,n)閾値秘密分散は、秘密情報をn個の分散情報に分けて管理する秘密分散法。この方法では、最初に秘密情報S(整数)の保有者がSからn個のシェアと呼ばれる値を生成し、次に秘密保有者はシェア保有者(1〜n)に各シェアを秘密裏に渡す。その後、秘密保有者は元の秘密情報を消去する。秘密情報の復元には、k人のシェア保有者が協力してk(閾値)個のシェアを収集し、所定の計算をする。
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