ニチレイフーズ、AI活用で食品工場の生産計画と要員計画を自動立案――日立のAIを活用した新システムを稼働

ニチレイフーズは、日立製作所のAI技術を活用した「最適生産・要員計画自動立案システム」を自社工場に導入。熟練者の効率性と品質を両立した計画をAIが自動で立案する。計画業務時間を従来の10分の1程度に短縮できるという。また、熟練者以外の従業員もフレキシブルな生産計画、要員配置が可能になる。

» 2020年02月05日 12時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 ニチレイフーズと日立製作所(以下、日立)は2020年2月4日、AIを活用して最適な生産計画と要員計画を自動立案するシステムを国内4拠点の食品工場に導入し、2020年1月から本格運用を開始したと発表した。

 導入した「最適生産・要員計画自動立案システム」は、熟練者が立案する複雑な制約条件を考慮した計画業務を、AI技術で再現、進化させるもの。日立の「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」を活用して構築している。

 Hitachi AI Technology/計画最適化サービスは、機械学習と数理最適化技術を組み合わせた日立独自のAI技術を用いて、さまざまな制約条件と熟練者の計画パターンを基に、最適な計画を立案する計画業務支援サービス。生産計画立案では設備の稼働状況、納期、コスト、人員計画立案では作業員のスキルや勤怠といった複雑な制約条件に加え、大量の計画履歴を機械学習して見いだした熟練者のパターンを、独自の最適化エンジンに組み込み、最適解を高速に導き出す。

 熟練者は、制約条件を満たせない場合には、条件を緩和して柔軟に計画を立案するなど、経験に基づくノウハウで高効率な計画を立案している。こうしたノウハウをデジタル化するため、熟練者独自の計画パターンは数値化、重みづけした上で、抽出し、組み合わせて解析する。

 これにより、熟練者の効率性と品質を両立した生産計画を再現できるという。例えば、急な需要変動や納期の変更などにも、柔軟な計画立案の支援を実現できる。また、システムによる自動立案の結果を熟練者が評価して継続的に学習することで、計画内容の品質向上を図ることも可能だ。

熟練者の効率性と品質を、どうシステムで両立させるか

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