AWSに引き続き、日本オラクルが大阪へのフルリージョン開設を発表した。東日本と西日本に拠点を構えるクラウドベンダーが、日本マイクロソフト、Googleに続いて出そろったことになる。この展開は、ベンダーと顧客企業、双方に何をもたらすのか。その裏側を見ていこう。
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大阪リージョンをフルリージョンへ昇格するとのAmazon Web Services(AWS)の発表に続き、Oracle Cloudの大阪リージョンもスタートした。既に「Microsoft Azure」を抱える日本マイクロソフト、「Google Cloud Platform」を手掛けるGoogleも大阪にデータセンターを構えている。ちなみに日本IBMの「IBM Cloud」は、東京地区にある物理的に離れた3つのデータセンターでアベイラビリティーゾーン構成をとることで高可用性を確保し、別途西日本地区にネットワーク接続拠点を置く形となっている。もちろんIBM Cloudも、今後大阪にデータセンターを開設することは明らかにしている。
いずれにせよ、これで2019年から2020年にかけて、主力クラウドベンダーは全て国内2カ所のマルチリージョン運用体制を整えたことになった。いわば“クラウド大坂の陣”が始まったわけだ。国内の各ベンダーが国内でマルチリージョン化したことで、顧客企業にとっての重要なメリットと選択肢の変化とは何か。各社の製品展開や、先日延長したと話題になった“2025年の崖”問題などの課題も併せながら、じっくり考察していこう。
グローバル展開するクラウドベンダーが、狭い日本に2つのデータセンターを運用するのは、それだけ日本のクラウド市場に伸びしろがあるという期待の表れだろう。今後、各ベンダーの日本法人に対して本社が向けるビジネス拡大へのプレッシャーはより大きくなるわけで、顧客企業への各社からの営業攻勢は激しくなりそうだ。
ベンダーと顧客企業の双方にとって、国内に2つのクラウドデータセンターができることには、大きく分けて2つのメリットがある。
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