JALは、IBM主催の「IBM think summit Japan 2020」で、IT基盤を再構築するプロジェクト「ITグランドデザイン」の一環として、同社のクラウド基盤を刷新したと発表した。
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日本航空(以下、JAL)は2017年夏から、同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支えるITインフラ基盤を再構築するプロジェクト「ITグランドデザイン」を進めている。
ITグランドデザインは、システムの安定稼働と新技術の活用による企業価値の向上を目指し、大きく3つの施策を実施する。
1つ目は、データ活用基盤の整備だ。同社の基幹データベース内の、顧客データや航空便のデータ、航空券情報のデータをDXに利用できるよう整備する。2つ目は、業務のモバイル化やクラウド化の促進だ。JALは、安全で快適なユーザー環境のため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受ける以前から、テレワーク環境の整備を進めてきた。3つ目は、安定稼働と構築スピードや拡張性を備えるハイブリッドクラウド基盤の構築だ。
JALは、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)主催の「IBM think summit Japan 2020」でハイブリッドクラウド基盤についての詳細を発表した。レガシーから脱却し、DXを促進するためのインフラ整備とはどのようなものなのか。
JALは、物理サーバの乱立による高い運用負荷を解消するため、2008年からサーバの仮想化に取り組んできた。2013年にデータセンターの移転を始め、これを契機に全面的に仮想環境へ移行した。
今回のハイブリッドクラウド基盤の構築は、2013年に構築した基盤の老朽化に伴うリプレースだ。栗田和博氏(日本航空 IT企画本部 部長)は、2018年に開始したこのプロジェクトにおける、旧基盤の3つの課題を解決する狙いがあったと説明する。
こうした課題を解決するため「自動化の推進による構築期間の短縮と可用性や拡張性の確保」と「外部クラウドの活用によるリソースの適切な配分」「旧基盤からの確実なシステム移行」の3点を掲げ、栗田氏は、ハイブリッドクラウド基盤の構築に着手した。
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