データドリブン経営に向けたデータ分析関連人材の確保は急務 企業動向を探る

矢野経済研究所によると、国内のデータ分析関連人材規模は、データドリブン経営の浸透などを背景に急拡大し、2023年度には約142万人に達する見込みだ。

» 2021年01月28日 10時10分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 矢野経済研究所は2021年1月27日、国内の「データ分析関連人材」の規模を調査し、現況や職種別動向、将来展望について発表した。

 同調査における「データ分析関連人材」とは、データ分析プロジェクトに携わるチームを構成する「分析コンサルタント(分析案件におけるデータ活用戦略などの策定に関与)」「データサイエンティスト(データ収集やプログラミング言語を用いた分析に基づくモデルの開発などに関与)」「分析アーキテクト(データサイエンティストが開発したモデルをシステムに実装するフェーズに関与)」「プロジェクトマネジャー(データ分析案件の統括)」の4人材を指し、その市場規模を4人材の合計の人数ベースで算出している。

 今回の調査は、国内のIT事業者、ユーザー企業、教育事業者を対象に2020年10〜12月に実施。調査結果から、2020年度のデータ分析関連人材規模は、8万9800人になると見込んでいる。

Photo 2020年度の国内データ分析関連人材規模予測(出典:矢野経済研究所)

 昨今、各種センサーやスマートデバイスなどの普及により、膨大なデータを収集、分析し、これまでにない知見を導き出すといった課題解決方法に期待が高まっている他、データを活用して意思決定や経営判断に生かす「データドリブン経営」を打ち出す企業が増加している。

 そうした状況を受け、データ分析関連人材(分析コンサルタント、データサイエンティスト、分析アーキテクト、プロジェクトマネジャー)に注目が集まっており、中でもデータサイエンティストは最も重用される人材になっているという。

 現在はデータ分析関連人材を取り巻く環境整備が進められており、制度面では、営業機密などの産業データ、個人情報ともに法環境が整ってきている。また、教育面では、内閣府の「AI戦略2019」を踏まえ、人材の輩出に向けて小中高の学習指導要領が改訂された他、大学ではデータサイエンス学部/大学院の設置やデータサイエンス教育の強化に向けた取り組みが進むなど、短期/中長期的な教育環境の変革が進められている。

人材獲得/活用に向け活性化する企業動向、IT事業者とユーザー企業に違いも

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