読者調査で分かったDX推進プロジェクト運営体制の課題経営者「とにかく何かやっときなさい」

「よく知らないけれど、とにかく何かDXをやっておいて」との命令が下る組織はどのくらいあるだろうか。読者調査で見えてきたのは、DX推進体制の現実と経営層の意識とのちぐはぐさだった。

» 2021年04月13日 13時01分 公開
[原田美穂ITmedia]

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 ITmedia エンタープライズ編集部は「読者調査2021DX編」を実施した。ITmedia エンタープライズ読者を対象にオンラインのアンケート形式で回答を募り、346件の回答を得た(調査期間:2021年1月21〜29日)。ここでは数回に分けて結果を分析していく。本稿はその中でも、媒体読者におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の体制や課題を見ていく。

DX推進中の企業は7割に、だが楽観視できない実態も

 調査では、まずDXの着手状況について計画の有無や着手状況を尋ねた。その結果、「実行に向けて準備中(戦略策定済み)」が17.1%、「策定予定はあるがまだ未着手」が26.9%となり、回答企業の44.0%が実行に向けた準備中から戦略策定予定がある段階だった。実行中とした回答30.1%と合わせると、実に7割超が何らかのDX施策を策定〜実行中であることが分かった。

 この調査の1年ほど前、日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が発表した「デジタル化の取り組みに関する調査」*でも、デジタル化の取り組み状況において、トップランナー企業が39.4%、セカンドランナー企業が45.0%と、8割近くが一定以上のデジタル化を進めていることが明らかになっている。デジタル化が推進される状況が、今回のDX着手企業の割合からも見て取れる結果となった。

(左)DXに向けた先着の策定と実行の状況(出典:ITmedia エンタープライズ)、(右)デジタル化の取り組みに関する調査(出典:JUAS)

* 日本システム・ユーザー協会と野村総合研究所の共同調査「デジタル化の取り組みに関する調査」。JUAS会員企業のCIO(最高情報責任者)やIT部門・業務部門・経営企画部門・デジタル化推進部門の役員・管理職、情報システム子会社の社長、役員、管理職336人を対象とした調査。調査期間:2019年12月〜2020年1月、有効回答数160)。


 ここまでの情報からは日本企業においてもDX推進が本格化しつつあると見て取れるが、今回のアンケートでは楽観視できない発見もあった。

DX推進は「経営者」の方針、推進リーダーは「別人」

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