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» 2021年08月10日 11時00分 公開

欧米との比較で見えた、日本企業のDXが抱える最大の“矛盾”とは――最新の「情報通信白書」から読み解くWeekly Memo(1/2 ページ)

ニューノーマル時代に向けてDXの取り組みが急がれる日本企業。DX先進国の企業と比べてどのような課題があるのか。最新の「情報通信白書」から読み解きたい。

[松岡功,ITmedia]

 総務省が2021年7月30日に「令和3年版 情報通信白書」を公表した。2021年で49回目の発刊となる「情報通信白書」(以下、白書)は、国内のICT関連統計資料として最も長期かつ広範囲に網羅しており、一部を除いてオープンデータとして使えるのが利点だ。

 令和3年版は「デジタルで支える暮らしと経済」と題した特集を組み、日本のこれまでのデジタル化への取り組みについて振り返り、国民生活、企業活動、公的分野におけるデジタル活用の現状と課題や、コロナ禍で進んだデジタル化による変化について検証している。

 本稿ではその中から、「企業活動におけるデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の現状と課題」と題した一節に注目し、特にDX先進国の企業と比べた際の日本企業の課題について取り上げたい。

 本題に入る前に、DXの定義についてあらためて述べておきたい。DXの意味を正しく理解していないと、その先の論議をしても無駄だからだ。白書はこれまで3年にわたってDXを主要なテーマに挙げてきているが、今回もページを割いて「デジタイゼーション」および「デジタライゼーション」と比較する形で次のように説明している。

 「デジタイゼーションは会社内の特定の工程における効率化のためにデジタルツールを導入すること。デジタライゼーションは自社内だけでなく外部環境やビジネス戦略も含めたプロセス全体をデジタル化すること。それに対し、DXはデジタル技術の活用による新たな商品やサービスの提供、新たなビジネスモデルの開発を通して、社会制度や組織文化なども変革していくような取り組みを指す概念である」

 さらに、図1を示した上で、「社会の根本的な変化に対して、既成概念の破壊を伴いながら新たな価値を創出するための改革がDXである」とも念押ししている。DXの意味については本連載でも幾度も述べてきたが、最も重要な点なので白書と同様にあらためて記しておく。

Photo 図1 DXとデジタリゼーション、デジタライゼーションの違い(出典:令和3年版 情報通信白書)

先進国との比較で明らかになった、日本企業のDXが抱える「最大の矛盾」

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