Adidasはatma.ioとの契約で何をしようとしているか 顧客体験を変えるDX投資の中身Supply Chain Dive

消費のトレンドはこの数年で大きな転換点を迎える中、世界中に販売網を持つスポーツブランドAdidasがあるクラウドサービスと契約をして話題を集めている。リサイクル市場の拡大、サステナビリティーを意識したコト消費、オンライン/オフラインを問わない顧客接点など、物の売り方が複雑になる中、ブランドを守り、収益力を上げる仕掛けを探る。

» 2021年08月27日 11時00分 公開
[Deborah Abrams KaplanSupply Chain Dive]

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Supply Chain Dive

 中古スニーカーの市場は、コロナ禍以前から伸び始めていた。しかし、コロナ禍以降、生活に打撃を受けた人々が所持品を売るようになると、中古市場そのものが急拡大した。

 この状況は偽ブランド品が市場に多く出てくるリスクをもたらした。機能性ラベルやタグを手掛けるAvery Dennisonのマックス・ウィノグラード氏(コネクテッド製品担当バイスプレジデント)は「AdidasがAvery Dennisonの『atma.io』を導入した目的の一つは、製品(ブランド)の真正性をきちんと確保することだ」と述べている。atma.ioは「コネクテッドプロダクトプラットフォーム」を標ぼうするサービスで、ここでは小売向けの物流可視化クラウドプラットフォームとして機能する。

 Adidasは、当初英国で試験運用していた再販プログラム「Infinite Play」のプラットフォームを使っていた。これは、消費者が購入した商品が本物のAdidasであれば返品でき、Adidas側が製品を再販またはリサイクルできる仕組みだ。

 同社は2021年後半、サステナビリティプログラムとして米国でInfinite Playを立ち上げ、販売ビジネスの成長につなげる計画を発表していた。

 その目標は、2025年までに総売上高に占める直接販売の割合を半分とし、eコマースの売り上げを現在の2倍にすることだ。計画の大半は、デジタルトランスフォーメーション(DX)とオムニチャネル戦略が占める。在庫管理にRFIDを使う取り組みもその一環だ。

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