DXを着実に進め、さらに文化として定着させるにはどうすればよいか。多くの実績を持つ日鉄ソリューションズの製造業に向けた提案が、製造業に限らず参考になるので取り上げたい。
今や時代を象徴するバズワードとなったDX(デジタルトランスフォーメーション)。日本を代表する産業の一つである製造業でDXを着実に進めようと、製造業のIT化支援に多くの実績を持つ日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)が2021年8月25日にオンラインで開いた事業戦略説明会で、「デジタル製造業」を実現するための新たな提案やソリューションを発表した。
その内容は、製造業のDXを主眼に置いていたものの、あらゆる企業にとって参考にできるという意味で興味深いものだった。本稿は提案の具体的な内容に着目し、考察する。
説明役を務めたNSSOLの佐藤文敏氏(執行役員DX&イノベーションセンター デジタル製造業センター所長)が最初にデジタル製造業を目指すためのキーワードとして挙げたのは、「『意志(Will)のDX』から『DXの文化(Culture)』へ」だ。
同キーワードは「企業が取り組む意志を表明して実行したDXを、今後はサステナブルな文化として定着させていく必要がある」という意味だ。この考え方が今回の話のいわば「背骨」となる。
NSSOLが目指すデジタル製造業とは何か。佐藤氏は「製造業は生産性向上や品質強化、安全、技術伝承、設備保全の効率化などさまざまな課題を抱えている。デジタル製造業の大前提となる考え方は、これら全ての課題解決を目指そうというものだ」と話した上で、目指す姿として図1を示した。
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