クラウド中心へ「大転換」図るSAPジャパン 2022年、3つの戦略とはWeekly Memo(1/2 ページ)

SAPジャパン社長の鈴木洋史氏に、「2021年の総括と2022年の戦略」について取材した。2022年の目標は「クラウドカンパニーへ大転換」だという。その意味とは。

» 2021年12月13日 10時00分 公開
[松岡功ITmedia]

 「2022年はクラウドカンパニーへ大転換の年にしたい」

 こう語るのは、SAPジャパン代表取締役社長の鈴木洋史氏だ。どういう意味か。その点とともに2021年の振り返りと2022年の戦略について、同氏にオンラインで取材した内容を今回はお伝えする。

Photo 筆者のインタビューに答えるSAPジャパン代表取締役社長の鈴木洋史氏

真のクラウドカンパニーへ SAPジャパンの2022年を支える3つの戦略とは

 2021年を振り返って、鈴木氏は次のように語った。

 「2021年もコロナ禍が続いたが、その中でお客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展した。SAPは2021年1〜9月期の業績において、同期比の売上高の伸びがグローバルで3%増、日本で7%増、中でもクラウド事業についてはグローバルで17%増、日本はその倍ほどの伸びを達成できた。とりわけSAPジャパンは『クラウドカンパニー』に向けて本格的に動き出した年になった」(鈴木氏)

 冒頭で同氏が述べた「クラウドカンパニー」という言葉には伏線がある。実は筆者は2020年も同時期に同様のテーマで鈴木氏に取材し、同氏は本連載の2020年12月14日掲載記事で2021年の目標として「これまでのパッケージを主体とした会社から『真のクラウドカンパニーになる』」ことを掲げていた。それが2021年を振り返った今「クラウドカンパニーに向けて本格的に動き出した年になった」というわけだ。

 ちなみに、鈴木氏は2020年の取材で「現在採用された(ERP最新版の)『S/4HANA』の7割は『S/4HANA Cloud』または各種IaaSで動作するクラウド版」と語っていたので、その後の進捗(しんちょく)を聞くと「数字は明らかにできないが、その割合は着実に上がっている」(鈴木氏)とのことだ。

 SAPジャパンは2022年の戦略として、どのような事業方針を打ち立てているのか。鈴木氏は次の3つを挙げた。

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