“RPA先進国日本にiPaaSを根付かせる” 新興ベンダーWorkatoの市場戦略に迫る

高度な業務のデジタル化や自動化「ハイパーオートメーション」の実現を助けるツールとして、API連携を活用したiPaaSに今注目が集まっている。2021年11月に日本に進出したiPaaSベンダーWorkatoに市場戦略を聞いた。

» 2022年03月09日 07時00分 公開
[吉田育代ITmedia]

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 RPAツールを活用した業務自動化をさらに推し進めて"ハイパーオートメーション"を実現するにはどうすればいいのか。その鍵を握るソリューションとして注目を集めるのが、業務システムやSaaSから提供されるAPIを連携させて統合するiPaaS(integration Platform as a Service)だ。

 2021年11月に日本法人を設立したiPaaSベンダーWorkatoでオートメーションエバンジェリストを務める鈴木浩之氏に、日本市場での戦略と日本企業がハイパーオートメーションを実現する上でのポイントを聞いた。

なぜ"日本のiPaaS市場は未成熟"なのか エバンジェリストが見解を語る

 米国では広範囲の業務自動化を推進するツールとして定着しているiPaaSだが、日本での認知はまだまだこれからだと言える。鈴木氏は日本のiPaaS市場が未成熟である理由をどのように考えているのか。

Workato 鈴木浩之氏

 「一つの理由として、日本はSaaS利用が米国と比較して大きく遅れている事情があります。SaaS利用が進まなければ当然『各サービスをつなぐ』というiPaaSのニーズも出てきません。では、そもそもなぜSaaS利用が遅れているのかというと、パブリッククラウドで運営されるSaaSは『セキュリティリスクが高い』という意識がまだ根強く残っているのではないかと推測します。ITに強くない経営者は『それなら止めておこう』とためらってしまい、プライベートクラウドで従来型のソフトウェアを運用するといったレベルに止まり、クラウド活用のメリットをあまり享受できていないように感じます」(鈴木氏)

 鈴木氏によれば、上記に加えてもう一つの原因として言語の問題もある。「多くの日本企業は、日本語が利用できるSaaSやAPIであったとしても、日本語版UIが提供されている製品やサービスを選ぶ傾向があります。さらに現時点では、日本ではクラウドネイティブで実装されたSaaSが少なく、APIが提供されていないサービスが多いため、データのサイロ化が拡大してしまっています。クラウドネイティブで便利なSaaSやAPIが世の中には山ほどあって、簡単に手に入るのに、"UIが英語だから"という理由でこれを利用せず、独自にコストと時間をかけて新規アプリの開発をするケースが散見されます」(鈴木氏)

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