AIで製造プロセスを大幅短縮 ライオンの取り組み

ライオンと日立は、新たなハミガキの組成を基に、実際に工場で生産する際に生じる課題を予測し、製造プロセス上最適な組成情報や物性情報を自動提案するシステムを開発した。

» 2022年05月10日 00時00分 公開
[ITmedia]

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 ライオンと日立製作所(以下、日立)は2022年4月20日、研究所で開発した新たなハミガキの組成を基に、工場で生産する際に生じる課題を予測し、製造プロセス上最適な組成情報や物性情報の案を自動提案するシステムを開発したと発表した。2社は、同システムを他の課題にも適用して運用することで、製造プロセスの検討時間を最大約40%削減できるとしている。

新材料を効果的に探索するMI技術

 ライオンの主幹事業であるハミガキの開発では、実験室でビーカーサイズで開発した組成を工場規模で生産するに当たり、「移送性」が課題だった。移送性とは、配管や充てん機におけるハミガキの流れやすさの度合いを指す。移送性が悪ければ、ハミガキを製造した後に個々のチューブに充填しにくくなるといった問題が発生する。

 ハミガキは複雑な物性を示すため、研究段階で移送性を予測することは難しく、工場生産に向けて製造プロセスを開発する段階で明らかになることが多い。

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