日本のポリシーでデータを管理 NTT3社、欧州と相互接続可能なデータ流通プラットフォームを開発

NTT 3社は、欧州のデータ流通プラットフォーム「Catena-X」と相互接続が可能なデータ流通プラットフォームを開発した。「Catena-X」利用時に日本のポリシーによるデータ保護が困難になる問題を解決し、安全なデータ流通を実現する。

» 2022年05月10日 00時00分 公開
[ITmedia]

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 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とNTTデータ、NTTは2022年4月27日、ドイツの自動車メーカーなどが運営するデータ流通プラットフォーム「Catena-X」と相互接続が可能なデータ流通プラットフォームを開発したと発表した。データ流通に課題を持つ業界団体や企業と協力し、カーボンニュートラルの達成や資源循環社会の実現、電力の安定供給の実現を目指してデータ流通を推進する。

 同プラットフォームの開発に当たっては、日本電信電話(NTT)の技術と欧州の「Gaia-X」に関する知見を活用した。NTTはハードウェア暗号化技術(注1)を活用し、データを分析するプログラムを秘匿したまま計算できるセキュリティ技術を提供し、同プラットフォーム実現を支援する。

欧州企業といかに安全にデータを流通させるか

 Catena-Xはドイツの自動車メーカーやサプライヤーなどが運営し、部品情報などのデータを関係企業間で安全に流通させるためのプラットフォームだ。

 Gaia-Xは2019年10月にドイツとフランスが発表したセキュリティとデータ主権を保護しつつデータ流通を支援するためのデータ流通構想だ。企業や組織の間で安全にデータを流通させることを可能にする構想として注目を集めている。

 ドイツの自動車メーカーやIT企業は、Gaia-Xが提唱する主要な技術の一つで、International Data Spaces Association(IDSA)が定める技術仕様「IDS」によってCatena-Xをドイツ国内に構築し、2022年夏にサービス提供を開始する予定だ。NTTによると、今後、ドイツの自動車関連企業と取引する日本企業はデータを流通させる際、Catena-X利用が求められることが想定されるという。

 しかし、Catena-Xを利用した場合は、データを欧州のポリシーで管理することになり、日本企業であっても日本のポリシーでデータを保護することが困難になる。そのため欧州のデータ流通プラットフォームと相互接続でき、日本のポリシーで安全にデータを管理できる仕組みが必要とされていた。

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