デジタルツインで実現する「ソサエティDX」とは――NTTデータの研究開発から読み解くWeekly Memo(1/2 ページ)

デジタルツインを活用して社会全体のDXを実現する――。NTTデータがこんな研究開発を進めている。その内容が興味深いので考察したい。

» 2022年03月28日 10時00分 公開
[松岡功ITmedia]

 現実の空間とサイバー空間を組み合わせてさまざまな課題解決や予測分析、さらには新たなビジネスの創出が期待される「デジタルツイン」。ただ、実際にどうすればどのように活用できるかというと、まだ多くの人に理解されていないのが現状だろう。

 そんな中で、NTTデータが2022年3月15日にオンラインで開催した「NTTデータ R&Dフェスタ 2022」において「デジタルツインコンピューティングで社会を変革」と題したセミナーの内容が非常に興味深かったので、今回はそのポイントを紹介し、デジタルツインの可能性について考察したい。

Photo NTTデータ 技術革新統括本部IOWN推進室長の吉田英嗣氏

キーワードは「サイバーファースト」と「デジタルツイン融合」

 セミナーで説明に立ったNTTデータ 技術革新統括本部IOWN推進室長の吉田英嗣氏は、まず図1を示しながら、DX(デジタルトランスフォーメーション)の現状について次のように話した。

Photo 図1 DXは個別の企業・業界から社会全体の取り組みへ(出典:「NTTデータ R&Dフェスタ 2022」セミナーの投影資料)

 「昨今、DXが注目を集めているが、実はその大半が個別の企業や業界の範囲でしかデータを活用していない。その価値も限られた範囲にとどまっている。これからは個別の企業や業界を越えてデータを相互に活用できるようにし、社会全体のDXを進めていかなければならない」(吉田氏)

 ポイントは、データの価値を限られた範囲でなく、社会全体で活用できるようにしていくことだ。同社ではこうした社会全体のDXに向けた取り組みを「ソサエティDX」と呼んでいる。そして、このソサエティDXのカギとなるのがデジタルツインだという。

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