業務に潜む「見えない非効率性」=無駄なプロセス、不要なプロセスがビジネスパフォーマンスの「サイレントキラー」。それを発見し、対処することは業務効率化だけでなくDXへの重要な布石になる。プロセスマイニングツールベンダーCelonis日本法人のトップが、プロセスマイニングの実態を語った。
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プロセスマイニングは、既存システムからデータを収集して業務プロセスを可視化するソリューションだ。ドイツ/米国を本拠とするCelonisプロセスマイニングツールベンダーであるCelonisが2020年に発表したクラウドプラットフォーム「Execution Managemaent System」(EMS)は、プロセス可視化に加えて業務の実行管理機能も持つ。業務プロセスの最適化に役立つだけでなく、ERPと連携することで、適切なタイミングで業務の自動実行が可能な仕組みを作り上げたという。
同社日本法人社長の村瀬将思氏は、「プロセスマイニングとデータによるアクションの実行はDXの最後のピースだ」と言う。
プロセスマイニングは村瀬氏によれば「現在の業務プロセスにあふれている見えない非効率性=ビジネスパフォーマンスの『サイレントキラー』をあぶり出して可視化するもの」だ。
サイレントキラーとは何だろうか。
村瀬氏は「例えば在庫管理では、5回に1回の割合で在庫切れを理由に注文をキャンセルしている場合でも、実際には在庫が存在することがある。経理部門においては、同じ請求に対して複数回支払う多重支払いが起きることがある。カスタマーサービスでは、6%以上のチケットが5回以上たらい回しされている。サプライチェーンにおいては、毎年6100万個ものコンテナが空荷で輸送されており、流通生産においては、世界で生産される食品の3分の1は廃棄されるフードロスが起きている」と指摘し、「それらの不合理、非効率を生む原因の多くがプロセスに内在する」と断言する。
その見えない非効率性こそが村瀬氏の言うビジネスパフォーマンスのサイレントキラーだ。
(本記事は、2022年6月28日に行われた「Celonis World Tour 2022 東京」での基調講演および事例セッションの講演内容を基に編集部で再構成した)
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