「2025年までに過半数が影響」 遠くの戦禍は日本のIT調達にどんな影響を与えるか 

ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、地政学リスクが改めて注目されている。日本企業によるIT調達に地政学リスクはどう影響を及ぼすのか。ガートナーが評価する際に考慮すべき「3つの要素」を提言した。

» 2022年08月06日 07時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

 ガートナージャパン(以下、ガートナー)2022年8月4日、今後の日本企業によるソフトウェアやクラウドサービスなどのIT調達に「地政学リスクが重大な影響を及ぼす」との見解を発表した。

 同社は「2025年までに、ソフトウェアのユーザー企業の半数超は地政学的な要因を背景とする契約コストの増加やコンプライアンス違反のリスクにさらされる」との仮説を立てた。

 地政学リスクとは、特定地域の政治的、軍事的緊張の高まりが周辺地域や世界に及ぼす影響を指す。

ITリーダーが地政学リスクを評価する際、考えるべきこと「3つ」

 ガートナーは、日本企業が利用するクラウドサービスやERP(Enterprise Resource Planning)などのソリューションの多くが海外ベンダー製であることから、「日本企業は地政学リスクの影響から免れられない」と指摘する。

 ガートナーの海老名 剛氏(バイスプレジデント、アナリスト)は、「ソーシングや調達、ITベンダーの管理を担うリーダーにとって、地政学リスクは今後対応すべき新たな課題だ。特にソフトウェアやクラウドサービスを調達する際は、自社に及ぼす影響をあらかじめ評価し、ベンダーと必要な交渉をすべきだ」と述べる。

 ガートナーは、地政学リスクの影響を評価する際に次の3点を「考慮すべき」としている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ