金融機関「紙まみれ」の実態 法人営業のアナログ作業が明らかに

nCinoの調査によると、地域金融機関の法人営業担当者は、顧客との対話よりも行内事務に多くの時間を費やしており、データの有効活用ができず機会損失の恐れがあることが浮き彫りになった。課題解決のためにまず何をすべきか?

» 2022年08月29日 07時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 nCinoは2022年8月10日、地域金融機関におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の実態に関する調査レポートを発表した。

 nCinoは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をはじめとした地域経済への打撃や低金利により銀行融資の需要は高まる一方、少子高齢化による就労人口減少の影響で地域金融機関にはより一層法人融資業務のDXが求められているとみている。

 同調査は、地域金融機関の法人融資業務におけるDXの推進状況や業務の実情を明らかにするため、金融機関で現在または過去10年以内に法人融資業務に携わった人を対象に、2022年5月11〜5月13日にインターネットで実施し、542人から有効回答を得た。

「データ活用」「業務効率化」の課題、どう解決する?

 同調査で法人営業担当者の一週間の業務時間配分を尋ねたところ、法人営業担当者のうち平均で35%(地銀・第二地銀は36.2%、信金・その他は33.7%)の時間を顧客に対する訪問活動よりも行内事務(融資事務)の処理に多く使っていた。行内事務が全業務の中で最も大きい割合を占めていることが分かった。

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