「クラウドのコスト増加をどうにか抑えられないだろうか」――。そんな悩みを解決するのがFinOpsです。最終回となる連載第4回は、クラウドコスト最適化の取り組み事例を紹介します。
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本連載は、欧米を中心に広まりつつあるクラウドのコスト最適化の考え方「FinOps」について紹介します。第1回はFinOpsが注目される背景について、第2回はFinOpsの基本について、そして第3回(前回)はFinOpsの実践について解説しました。
FinOpsの活動は、「Inform」(可視化)、「Optimize」(最適化)、「Operate」(実行)の3つのフェーズを繰り返しながら(図1)、「使用量の最適化」と「単価の最適化」を車の両輪として進めます。
連載最終回となる今回は、筆者がこれまで携わった中で製造業A社と、ネットアップ社内のIT部門におけるクラウドコスト最適化の取り組みを紹介します。
本連載は欧米を中心に広がる「FinOps」というクラウドコストを最適化するための考え方や、実践方法を解説していきます。守りのクラウド採用ではなく、攻めのクラウド採用を考えるとき、企業にとってコストの適正化は避けられない問題です。世界のリーダー達が取り組むFinOpsとは企業をどのようにサポートするのかを解説していきます。
国内大手の製造業A社は、本社のIT部門が運営するオンプレミスの統合IT基盤を各事業部門が利用しており、そのコストは利用実態に関係なく各事業部の規模で案分し、本社IT部門から各事業部門に請求していました。
一方で、各事業部内ではクラウド活用のニーズの高まりから現場判断で個別にクラウドを利用する「シャドーIT」が進んでいました。それを知った本社のIT部門は「コスト最適化を考慮した全社的なクラウド導入」を決めました。
A社ではコスト最適化を考慮したクラウド導入の最初のステップとして、次の項目に取り組みました。
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