東芝テック、Snowflakeマーケットプレイスで「POSパネルデータ」のトライアル提供を開始

東芝テックは、全国の購買データを横断的に分析した「POSパネルデータ」のトライアル提供をSnowflakeマーケットプレイスで開始した。販売データは販売後1時間以内に更新され、エリア別の販売動向を確認できるとしている。

» 2022年10月19日 08時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 東芝テックは2022年10月17日、DTS、Snowflakeと共同でリアルタイムのPOS(販売時点情報管理)パネルデータを提供する「テックデータ流通サービス Snowflake版」のトライアル提供を開始すると発表した。Snowflakeが提供する「Snowflake Data Marketplace」(以下、Snowflakeマーケットプレース)で提供する。

1時間以内に更新される横断的な購買データ

 流通小売業や消費財メーカーは、変化の激しい消費者行動を適時把握して生産や物流、広告活動に反映していくことが求められている。

 テックデータ流通サービス Snowflake版は製造業や卸売業などでの活用に向けたデーマーケティングサービスだ。全国の小売りチェーンの購買データを横断して商品やカテゴリー別に分析、解析したPOSパネルデータを提供する。クラウドベースのデータウェアハウス「Snowflake」のマーケットプレースでデータを提供する。

 提供データは小売業における販売後1時間以内に更新され、エリア別の販売動向を確認できる。市場データを可視化したPOSパネルデータは、小売業の商品導入方針の判断などに活用できる。自社で収集したタッチポイントデータを付加することで高度な分析が可能な集計データも提供する。

 なお、統計情報は、個人が識別できない情報を使用している。個人情報は分析の対象には含まれない。

「テックデータ流通サービス Snowflake版」の概要(出典:東芝テック「テックデータ流通サービス Snowflake版」Webサイト)

 東芝テックは、小売店の取引情報に応じたクーポン施策を実現する販促クーポン発券サービス「テッククーポンデリ」を展開している。同社は、テッククーポンデリを通じて小売業から了承を得たデータを統計処理し、小売店舗名が特定できないよう加工した上で地域データとして提供することで、社会課題の解決への寄与を目指している。

 Snowflakeは、クラウドによるデータシェアリングの考えに基づき、Snowflakeマーケットプレースでクラウドをまたぐライブデータのプラットフォームを提供している。DTSはそのプラットフォームに基づいたサービス構築をサポートしている。

 3社協業で提供する今回のトライアルは、一部地域に限定したデータを用いて「日別、時間帯別、JANコード別の統計加工」と「店頭での販売発生後1時間以内の提供データの更新」を実施したデータを、Snowflakeマーケットプレースで提供する。今回のトライアルを通じてライブデータの活用策を検討する方針だ。

 3社は、東芝テックが推進するデータサービス事業の一環としてのデータシェアリングサービス構築に向けて、流通小売業や消費財メーカーとの共創データ作りに取り組むとしている。

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