Oracleの最新動向 業界や社会の「課題解決」のために進化する同社の取り組み

Oracleはユーザーの課題解決はもちろん、業界や社会の課題解決にも取り組んでいる。日本オラクルが実施した最新動向説明会で、Oracleの現時点での取り組みと、目指す未来の姿が分かった。

» 2022年11月17日 08時00分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 日本オラクル(以下、オラクル)は2022年11月14日、Oracleが米国で開催したイベント「Oracle CloudWorld 2022」(開催期間:2022年10月17〜2022年10月20日)を踏まえて、製品や戦略に関する最新動向説明会を実施した。

 Oracleの変化、今後の進化を日本オラクルの善浪広行氏(常務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括)が解説した。

注目すべき基調講演3つ

日本オラクルの善浪広行氏

 善浪氏は説明会の冒頭、3年ぶりにオンサイトで開催されたOracle CloudWorld 2022に対して「長く日本オラクルにいるが、今回のイベントが一番感動した。Oracleが新たな創業期を迎えていると感じた」と話した。同氏が感動した理由は同イベントで行われた基調講演の内容にある。

 1つ目がOracleのCEO(最高経営責任者)を務めるサフラ・キャッツ氏の講演だ。同氏の講演では主に、コロナ禍を通して学んだ「従業員や顧客、サプライヤー、パートナーとのデジタル接続の重要性」や「サステナブルかつ費用対効果の高いプラットフォームでアプリケーションを提供すること」などが強調された。

 また、NVIDIAとの協業拡大を発表して、同社のCEOであるジェンスン・フアン氏と提携の狙いを語った場面は大きな盛り上がりを見せた。善浪氏は、サフラ氏の基調講演を受けて「Oracleのアプリケーションは今後もイネーブルメント(有効化)され、ケイパビリティも深まっていくと感じた」と期待を寄せた。

業界や社会の課題解決を目指すOracle

 善浪氏が注目した2つ目の基調講演は、OracleのCTO(最高技術責任者)を務めるラリー・エリソン氏のものだ。同氏の講演は主に、「インダストリーアプリケーションにおけるエンドツーエンドでエコシステムの自動化の実現」や「さまざまなプロバイダーやパートナー企業と共同した業界の課題解決」などにフォーカスした。

 「今回のラリーの講演では、マルチクラウドやインダストリーにおけるアプリケーションの強化などが語られた。それらを通じて各インダストリーの業界課題や社会問題の解決を目指すという、『Oracleの新たな道』が示された。その中でフィーチャーされたのがヘルスケアだ。医療機関へのサービス提供はもちろん、世界レベルで情報を活用できるように、Oracleはパートナーを含む他の組織と協力しながら取り組んでいく」(善浪氏)

アプリケーションの進化と善浪氏のまとめ

 善浪氏が注目した3つ目の基調講演はOracleのスティーブ・ミランダ氏(アプリケーション製品開発担当 エグゼクティブバイスプレジデント)によるものだ。同氏の講演は「変化対応のために設計され、ユーザーの成功のために開発されるアプリケーション」として、「Oracle Fusion Cloud Applications」を紹介した。同アプリケーションの3つのコンセプトは「必要なものを全て提供」「イノベーション実現のために」「ユーザーの成功のために」だ。

 「スティーブの講演では、『Oracle Cloud Infrastructure』(以下、OCI)の強みが強調された。OCIは世界中のトランザクションを処理して、クラウド化を目指す組織には必須だ。そのプラットフォームの上で動くアプリケーションは高速なパフォーマンスを実現でき、セキュリティも各レイヤーで堅牢(けんろう)だ」(善浪氏)

図1 「変化対応のために設計され、ユーザーの成功のために開発された」ベストテクノロジー(出典:日本オラクル提供資料)

 「5年後のOracleのケイパビリティが非常に楽しみだ。おそらくOracleは単体のユーザーだけでなく、業界課題や社会課題に対してAI(人工知能)やアプリケーションを用いて世の中を変えていくだろう」

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