ベネッセ、基幹システム基盤にOCIとAzureの組み合わせを採用

ベネッセコーポレーションは販売管理や新顧客基盤を含む基幹システムをOCIで提供される「Oracle Exadata Database Service」で稼働している。OCI環境を選んだ背景と効果は。

» 2022年12月13日 07時00分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 「Oracle Cloud Infrastructure」(以下、OCI)の導入支援を手掛けるアシストは2022年12月12日、ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)が販売管理や新顧客基盤を含む基幹システムをOCIで提供される「Oracle Exadata Database Service」で稼働開始したと発表した。

 ベネッセは「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」を2025年までの中期経営計画の中核戦略として位置付け、2021年には経済産業省が定める「DX 認定事業者」や、経済産業省と東京証券取引所が選ぶ「DX 銘柄 2021」にも選出されている。

ベネッセがOracleを選定した理由と効果

 ベネッセはコロナ禍における通信教育のニーズ拡大による会員数の急増や、DX推進を目的としたクラウド移行を求める声を受け、Webフロント系システムについては「Microsoft Azure」(以下、Azure)で運用しており、オンプレミスの「Oracle Exadata」と「Oracle Exadata Cloud@Customer」で構築していた基幹システムの移行先についても検討を開始したている。

 同社は少ない初期コストと短期間で移行できる点、CPU数を大きく削減しても性能を維持できる点を評価してOracle Exadata Database Serviceを採用したとしている。

 ベネッセは大規模基幹システムの円滑かつ確実なクラウド移行を実施するために段階的なシステムの移行を計画。2021年10月に第1フェーズとしてマーケティング分析基盤を移行し、その実績を踏まえて、2022年8月に販売管理や新顧客基盤を含む残りの基幹システムの移行を完了した。これにより、AzureとOCIでのマルチクラウドでのシステム稼働を実現した。

 ベネッセによれば、移行後約4カ月が経過した現在、同社の新基幹システムはOCI上で提供されるOracle Exadata Database Service上で安定的に稼働し、性能は維持したまま従前システムに比べ約60%ものCPUの削減を実現している。また、ライセンスのサポート費用を低減可能な「Oracle Support Rewards」を活用してコスト最適化も行っている。

 今後、ベネッセは基幹システムの可用性向上に向け、OCI上でのDR(Disaster Recovery:災害復旧)環境構築に加え、現在オンプレミス環境にあるシステムもOCIを含むクラウドへの移行する予定だ。

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