企業がDXを進める上で重視すべきポイントは何か。DXをどのように進めればよいのか。Google Cloudのイベントでの話から探りたい。
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企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める上で重視すべきポイントは何か。DXをどのように進めればよいのか。この問いかけに対し、Google Cloudが2023年5月23〜25日にオンラインで開催したプライベートイベント「Google Cloud Day ’23 Tour in Tokyo」の初日の基調講演で、Google Cloud日本代表の平手智行氏および同社サービスを利用する損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)執行役員CDO(チーフデジタルオフィサー)DX推進部長の村上明子氏から興味深い話を聞いたので、今回はその内容を取り上げたい。
平手氏は企業がDXを進める上で重視すべきポイントとして、「データ利活用」「内製化」「コラボレーション」の3つを挙げ、その理由について次のように説明した(図1)。
1つ目のデータ利活用については、「Harvard Business Review」がグローバル企業の経営層366人から回答を得て2023年3月に公表した「データとAI(人工知能)に関する調査」の結果から、次の内容を取り上げた。
これらの調査結果から、DXにはデータ活用が重要であることを強調した。Google Cloudのサービスは「データクラウド」を前面に押し出していることから、「データ活用ならGoogle Cloud」とのアピールが読み取れる。
2つ目の内製化については、企業が期待することとして、「コスト削減」「開発や運用の迅速化」「変革の社内理解の拡大」を挙げた。「これらにより、企業におけるDXの質と量、そしてスピードが向上する」と平手氏は語った。「こうした期待に対し、当社のサービスは簡単に始められ、ビジネスの成長に合わせてスケールできる。また、スピーディーで安全な開発、運用環境を構築でき、高度なスキルを持つパートナー企業とともにお客さまのDXのサポートに努めていく」と平手氏はアピールした。
3つ目のコラボレーションについては、「DXの推進には組織のアジリティを高めることが求められる。そのために、組織の壁を越えたコラボレーションの実現が不可欠だ。それがイノベーションの創出にもつながっていく」と説明する。その上で、「世界で30億人のユーザーが利用している『Google Workspace』はAIの力を利用し、これまでにないコラボレーションやイノベーションを実現する環境を提供している」と強調した。
プライベートイベントでのスピーチなので、重視すべきポイントとはいえ手前みその話になるのは当然だが、それを勘案したとしても上記の3つはまさしくDXを進める上で必須のポイントといえる。
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