IT人材不足解消の切り札になるか? CompTIAがトレーニングや認定資格を刷新CIO Dive

CompTIAは技術トレーニングのラインアップを拡大し、サイバーセキュリティやデータサイエンス、フルスタックの資格を追加して既存の5つの認定プログラムを刷新する。

» 2024年02月02日 07時00分 公開
[Matt AshareCIO Dive]

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CIO Dive

 IT業界団体のCompTIAは、今後12カ月間に技術トレーニングのラインアップを拡大すると2024年1月3日(現地時間)に発表した(注1)。新たに10のプログラムを追加し、既存の5つの認定資格を刷新するという。

 2024年最初の四半期から始まるこの変更には、AI(人工知能)やビジネス、ソフトスキルの必須コースの他、上級認定資格の「AWS Certified Cloud Practitioner」や、データサイエンス専門家向けの資格「DataX」などが含まれる。CompTIAは、今後数週間のうちに具体的な開始日を発表する予定だ。

 エンタープライズITの最新トレンドに対応するために、ネットワークやクラウド、侵入テストの「CompTIA+」認定資格の更新が予定されており、「CASP+」サイバーセキュリティ資格とITファンダメンタルズ資格は改訂され、それぞれ「SecurityX」と「Tech+」にリニューアルする。

認定資格とトレーニングへの企業の依存は強まるばかり

 デジタルトランスフォーメーション(DX)が民間と公共部門に広がる中、クラウドやコーディング、サイバー、データ、エンジニアリングの人材確保は今もなお根深い問題として企業のモダナイゼーションを遅らせ、労働力の問題を複雑化している。

 PwCによると、クラウドのスキル格差は既存のセキュリティリスクを悪化させ、AIの導入計画はデータ分析とエンジニアリングの人材の有無にかかっている(注2)(注3)。一方、サイバーセキュリティ専門家のトレーニングと認定を実施するISC2によると、サイバーセキュリティ組織は依然として400万人の従業員を必要としているという(注4)。

 生成AIに熱中することで技術者の需要が深まる中、IT人材が増加するのを待つ余裕のない企業にとっては、現場や専門的なIT資格を通じて既存スタッフのスキルアップを図ることが一般的な解決策となっている。

 しかし今のところスキル不足が解消されることはなさそうだ。

 CompTIAが米国労働統計局の月次データを分析したところ、技術者の失業率は2023年11月に1.7%まで低下し、同年1月以来の最低を記録した(注5)。

 ソフトウェア開発会社Bentley Systemsのシニアバイスプレジデント兼CIO(最高情報責任者)リーダーであるクレア・ラトコウスキー氏は、2023年12月の「CIO Dive」のバーチャルイベントの中で、従業員へのトレーニングに関する取り組みと認定資格に対する企業の依存が、2024年にはさらに強まることが予想されると強調した(注6)。

 CompTIAのトレーニングプログラムはベンダー固有の能力だけでなく、幅広いデジタルスキルにも焦点を当てたものだ。発表によると、AIやクラウド、生産性ソフトウェアの学習モジュールは、ビジネスの基本と組み合わせて学習するように設計されているようだ。

 トレーニングプログラムの更新自体は珍しくないが、このような大規模な再構成はCompTIAではめったにないと、同団体は電子メールで述べた。

 発表によると、CompTIA Proシリーズは製品およびベンダー認定プログラムとより密接に連携することで、現在のCompTIA+プログラムとは異なった新しいカテゴリーになるという。CompTIAは、AWSプラクティショナープロとともに、フルスタックおよび「AutoCode Pro」認定プログラムを今後数カ月のうちに導入する予定だ。

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