アクセンチュアのAI事業はどこへ行く? AI予算「太っ腹」時代の終わりが始まったCIO Dive

企業がAIに慎重な姿勢を見せつつある今、アクセンチュアの生成AI事業の戦略はどう変わろうとしているのか。ユーザー企業が予算を抑制しながらAIの利用を拡大する傾向に適応できるのか。

» 2025年02月12日 08時00分 公開
[Matt AshareCIO Dive]

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CIO Dive

 生成AIをはじめとするAI導入が進む中で、ユーザー企業はAIに関する費用対効果を厳しく点検し始めた。AI投資額自体は増やしつつも、かつてのような太っ腹な予算配分は鳴りを潜めつつある。

 Accentureのジュリー・スウィート氏(会長 兼 CEO)は2024年12月19日(現地時間)、2025年第1四半期決算説明会で「生成AIは大規模なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し続けている」と語った。

AI投資「太っ腹」時代はもう終わり アクセンチュアは適応できる?

 ユーザー企業はかつてのようなAI予算に対する大盤振る舞いを抑制し、予算を膨らませることなくAIをスケールさせるための領域にIT投資をシフトしている。こうした支出のトレンドが過去1年間で固まりつつある中、Accentureは生成AI事業の戦略をどのように適応させようとしているのか。

 「特に小規模案件で支出が抑制されているのを確認し、当社は再構築のためのパートナーとして選ばれることに注力するよう方向転換した」(スウィート氏)

 Accentureは2024年11月30日までの3カ月間に187億ドルの新規事業を展開したが、そのうち12億ドルが生成AIに関連するものだ(注1)。

 同社の売上高は前年同期比9%増の177億ドルだった。そのうちコンサルティングが90億ドルを占め、マネージドサービスも86億ドルとコンサルティングとほぼ同額だ。

 「顧客企業はデータ基盤の再構築に重点を置いており、つまりそれは大規模な変革を意味する。現段階では顧客企業の全体的な支出、特に小規模案件への支出は増額していない」(スウィート氏)

 大手テック企業がGPUを増強し、クラウドサービス大手であるハイパースケーラーがインフラ構築を強化するため、アナリストは2025年のIT市場は世界規模で成長すると予想する(注2)。

 しかし、AIを中心としたITコンサルティングや調査を手掛けるInformation Services Groupによると、「企業は支出に慎重な姿勢を崩していない」(注3)。2025年、経営幹部はAI投資を5.7%増やす計画だが、IT支出全体を厳しく管理し、他の部分でコストを最適化することでモダナイゼーションを実現するための投資を賄う意向だ。

 スウィート氏によると、Accentureはここ数カ月でこの傾向が固まりつつあると見ている。同氏は2024年12月19日に「テーマはコスト効率と成長の2つだ。どの業界もコスト効率を求め、同時に成長を目指している」と話している。

 クラウドとデータのモダナイゼーションはAIの価値を引き出すものであり、企業の成長の鍵を握ることは変わらない。

 Accentureは2024年初め、ハイパースケーラーとのパートナーシップを拡大し、同年8月には「Fortune 500」企業へのAI導入を推進するためにGoogle Cloudとの提携を深化させた(注4)。同年3月にはAWS(Amazon Web Services)およびAIサービススタートアップのAnthropicとの3社間協定を締結した(注5)。

 AI利用をスケールさせたい企業は、クラウドベースのプラットフォームソリューションに目を向けているとスウィート氏は言う。

 「生成AIを活用するには絶対に不可欠なデータ作業に進展が見られる」(スウィート氏)

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