Arcserveは「Cyber Resilient Storage(CRS)シリーズ」を発表した。ランサムウェア対策に特化したイミュータブルストレージであり、オンプレミスとクラウドに対応し、既存のUDPコンソールから操作可能だ。
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Arcserve Japan(以下、Arcserve)は2025年9月3日、新たに「Arcserve Cyber Resilient Storage(CRS)シリーズ」を発表した。これはランサムウェア攻撃によるバックアップデータの破壊や改ざんを防止するために設計したイミュータブル(不変)ストレージであり、企業のデータ保護と業務継続を支援する。
CRSシリーズは、統合バックアップ/リカバリーソリューション「Arcserve Unified Data Protection(UDP)」の拡張機能として位置付けられており、オンプレミス型とクラウド型の2種類が用意される。バックアップやリストアの操作は従来の「Arcserve UDPコンソール」から行えるため、新たな運用知識を必要とせず、障害発生時にも迅速に業務を再開できるよう配慮されている。
製品構成は、オンプレミス用の「Arcserve Cyber Resilient Storage(CRS)」と、クラウド環境に保存する「Arcserve Cloud Cyber Resilient Storage(クラウドCRS)」の2種類が提供される。オンプレミス版はソフトウェア形式で提供され、専用サーバを用意する必要がある。クラウド版は既存の復旧ポイントサーバ(RPS)を利用してArcserveのクラウドストレージにデータを保存する方式で、追加のハードウェアを購入せずに導入できる。クラウドCRSからイミュータブル機能を省いた「Arcserve Cloud Storage(ACS)」も同時に提供が開始される。
CRSシリーズの特徴として、自動的に取得される変更不可のイミュータブルスナップショットが挙げられる。これにより、万が一バックアップデーターが暗号化や削除の被害を受けた場合でも、スナップショットから攻撃前の状態に復旧できる。管理面において、UDPコンソールからデータストアの設定や保存先の指定が簡便に行え、既存のユーザーにとって導入障壁を低く抑えている。継続的な増分バックアップ、重複排除、圧縮機能によりストレージの効率利用が可能であり、複数世代のバックアップ保持をコスト効率よく実現できる。
同時に発表されている「Arcserve UDP 10.2」においては、CRSシリーズとの連携機能が追加されている。オンプレミスとクラウド双方でイミュータブルスナップショットを活用できる他、「Amazon S3」や「Azure Blob Storage」「Google Cloud Object Storage」といった主要クラウドサービスのサポートも拡充されている。「Linux」エージェントの対応プラットフォーム強化や新たな脆弱(ぜいじゃく)性への対応も含まれており、既存ユーザーにはアップグレードが推奨されている。
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