何らかの成果を出したいDX推進室のメンバーは「資格取得人数を増やしていけたら……」と話しますが、松尾先生は「そこだけを追い求めると誤った方向に進む」と警鐘を鳴らします。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているが、なかなか成果が出ない」──そんな悩みを抱える中堅・中小企業は多いのでは。「何から取り組んだらよいのか迷っている」「そもそもDXに取り組む意義が分からない」という場合もあるかもしれません。
本記事はSBクリエイティブ刊『マンガでわかるDX』(小峰弘雅、岡田陽介、柴山吉報 著、松尾豊 監修、漫画:おうみ)からDXで成果を出すためのポイントを紹介します。
なかなか成果が上がらず苦しんでいたDX推進室長の石動浩は、松尾豊先生(東京大学大学院教授)からアドバイスを受け、DX推進室のメンバーたちと新たな事業計画を立案。社内からメンバーを募り、パイロットプロジェクトが動き始めました。
何らかの成果を出したいメンバーは「資格取得人数を増やしていけたら……」と話しますが、松尾先生は「そこだけを追い求めると誤った方向に進む」と警鐘を鳴らします。どういうことでしょうか?
以下、本書の抜粋からそのヒントを探っていきましょう。
デジタル系の資格を取得した人が、次のステップに進むことが難しい場合があります。なぜなら、自分の仕事に戻っても、今のままでは学んだ知識を生かせる場がないからです。これでは、せっかく勉強しても意味がなかったのではないかと感じ、その後の勉強意欲が減退してしまうことがよくあります。
そこで、人事やDX教育担当者は、資格取得後にその知識を活用できる環境を用意することが必要です。具体的には、複数のDXプロジェクトを進め、資格取得者がそのどこかに参画できるようにすることが考えられます。資格取得者の人数を増やすことに重点を置くのではなく、DXプロジェクトに参画できる人数を増やすことが大切です。これによって、資格取得後にも学びを生かせる機会が提供されるため、継続的な学習意欲を高めることができます。また、一定の知識を持った人材がDXプロジェクトに参画することで、当然ながら企業のDX推進も加速させることができます。
さらに、DXプロジェクトに参画することで実践的な経験を積むことができます。資格取得によって学んだ知識が、実際の業務にどのように生かされるのかを体験することは、デジタルへの理解をより深め本当のスキルアップが実現するのです。
企業は、デジタル系の資格取得に力を入れるだけでなく、その資格を持った人材が業務に生かせる環境を整備することで、資格取得者の意欲を引き出し、DX推進に貢献することが重要です。
懸命に活動するDX推進室のメンバーたち。会社のDXプロジェクトの行方はどうなるのでしょうか?(続きは以下の書籍から)
マンガでわかるDX
著者:小峰弘雅/岡田陽介/柴山吉報
監修:松尾豊/漫画:おうみ
SBクリエイティブ 1,496円
松尾豊氏監修! DXをマンガでやさしく解説!
「DXとはデジタル技術を使って新しい価値を生み出すことです」
「今までビジネスは”利益を最大化”することが求められてきました。
これからはデジタルで”速さを最大化”する時代がやってきているのです」
DXっていまいち分からない……
そんなあなたへ「今からDX始めるにはどうすればいいのか」をマンガでやさしく解説。
※この記事はSBクリエイティブ刊『マンガでわかるDX』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)
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