伊藤ハム米久HDが“脱”アドオン依存へ 会計基盤を刷新し、システム構成を簡素化

伊藤ハム米久HDは、現行システムの保守終了を機に、アドオンに頼らない「Fit to Standard」による刷新をした。システム構成を簡素化し、グループ全体の業務標準化と運用コスト最適化を目指す。

» 2025年12月24日 07時00分 公開
[後藤大地ITmedia]

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 伊藤ハム米久ホールディングスは、長年の運用を通じて現行会計システムが複雑化し、保守業務における特定担当者への依存や運用負荷の増加が課題となっていた。新たな会計基盤の検討に当たり、個別開発による対応を前提とせず、業務をシステムの標準機能に合わせるFit to Standardの考え方を採用し、国内グループ全体で統一された会計業務の実現を目指した。

従来のアドオンが標準機能で対応可能へ

 ワークスアプリケーションズは2025年12月19日、同社のERPパッケージソフトウェア「HUE」が、伊藤ハム米久ホールディングスに採用されたと発表した。伊藤ハム米久ホールディングスは、食肉および食肉加工食品の製造、販売を担う企業グループであり、今回の採用は、従来利用してきた会計システムの保守サポート終了を契機としたシステム刷新の一環とされる。

 HUEは、標準機能で伊藤ハム米久ホールディングスの会計業務要件を満たす点が評価され、会計システム全体を刷新する基盤として選定された。従来はアドオン開発によって補完していた業務についても、HUEの標準機能で対応可能となり、システム構成の簡素化と保守性の向上が図られた。

 今回のプロジェクトにおいては、HUEを国内のグループ会社へ順次導入し、会計業務の標準化をする計画だ。これにより、業務のシェアード化における品質向上や内部統制の強化を図り、安定した運用体制の確立を目標とする。加えて、HUEが提供する無償バージョンアップを活用することで、法改正や各種制度変更に対しても柔軟に対応できる環境を整備する方針を示している。

 将来を見据えた取り組みとして、AI機能の活用による会計業務の効率化や、長期的な視点での運用コスト最適化も想定されている。継続的にシステムを更新しながら、持続的な会計基盤を構築する狙いがある。

 伊藤ハム米久ホールディングスの経理財務部は、「国内グループ全体の会計業務標準化と長期運用の安定性確保を目的にHUEを採用した」と説明した。標準機能による業務実現が可能となったことで、保守性向上や属人化の解消が見込まれる点に加え、ペーパーレス化によるコスト削減効果にも言及している。今後はAI機能の活用を視野に入れ、グループ全体で効率的な会計業務運用を進めていく考えを示した。

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