データ活用「全社で成果」はわずか2.4% Gartnerが明かす日本企業の現実

Gartnerの調査で、データ活用により全社的に十分な成果を得ている日本企業は2.4%にとどまることが分かった。約7割が何らかの成果を認識しているが、ツール導入が先行し人的投資が後回しになる傾向が強い。

» 2026年01月10日 08時00分 公開
[ITmedia エンタープライズ編集部]

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 ガートナージャパン(以下、Gartner)は2026年1月8日、日本企業のデータ活用に関する調査結果を発表した。同調査によれば、データ活用によって「全社的に十分な成果を得ている」と回答した組織の割合は2.4%にとどまり、日本企業におけるデータ活用の定着が限定的である実態が示された。

「全社で成果」横ばいの理由は?

 同調査は企業に所属する個人を対象として2025年9月に実施された。データ活用の成果について「全社的に十分な成果を得ている」と回答した割合は2.4%、「一部で十分な成果を得ている」は11.4%であった。「全社的にある程度の成果を得ている」は9.9%、「一部である程度の成果を得ている」は45.5%となり、何らかの成果を認識している層を含めると全体の約7割に達した。他方で、「あまり成果を得ていない」は22.0%、「まったく成果を得ていない」は3.7%であり、「成果の評価は時期尚早」とする回答も2.9%存在した。

日本企業のデータ活用の取り組みによる成果の状況(出典:Gartnerのプレスリリース)

 全社的に十分な成果を得ているとする回答の割合は、過去数年と比べても大きな変化はなく、横ばいの状況が続いている。この間、DX推進の一環で、データ基盤や分析ツールへの投資を積み重ねてきた日本企業もあった。しかし、こうした投資が全社レベルのビジネス成果に結び付いた事例は依然として限定的であることが、今回の調査結果から明確になった。

 Gartnerのバイスプレジデントチームマネージャである一志達也氏は、DX推進の過程で従業員向けのデータ活用教育やリテラシー向上施策が展開されてきた点に言及した上で、従業員が日常業務と並行して専門性の高いデータ活用を実践する難しさを指摘した。加えて、データ活用を担う推進組織においても、専門人材の採用や育成が十分に進展していない状況が見られると述べた。その結果として、テクノロジーやツールの導入が先行し、人材への投資が後回しになる傾向が表れているという。

 同調査ではデータ活用に取り組む積極性を阻害する要因についてもたずねた。その上位には、「必要なデータが手に入りにくい」「実務でデータを理解・活用することが困難である」「データの品質・信頼性が低い」といった回答が並んだ。

 一志氏は、これらの課題は国内外で共通する傾向があり、現場が具体的な行動計画を描けないことや業務負荷の増大を懸念する意識が、消極的な姿勢につながると説明した。その上で、データ活用による成果を高めるためには、専門家集団の育成を目的とした継続的な人材投資、データ/アナリティクス (D&A)を担う組織と利用部門の協働体制の構築、データ品質の確保、成果の可視化を推進する必要があるとした。データ活用によるビジネス成果の最大化を目指す立場にあるD&Aのリーダーには、戦略の見直しと現場課題への具体策が求められるとしている。

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