ノークリサーチの調査によると、小規模な企業において独立系SIerへの依存度が下がっている。だがその中でも特定の領域ではシェアを伸ばしている。シェアが伸びている領域とは何か。
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大塚商会、オービック、TISインテックグループ、SCSK――。中堅・中小企業のIT活用を支えてきた「独立系」と呼ばれる販社、SIerは数多い。NEC系や富士通系、日立製作所系といった大手ベンダー系列や、通信キャリア系、エネルギー事業者系なども含めるとITパートナーの選択肢は幅広い。
ノークリサーチが実施した調査によると、こうしたITパートナーの勢力図がこの1年で変化している。2024年から2025年にかけて年商5億円未満の小規模企業層では独立系販社、SIerのシェアが減少し、代わりに「その他」(地場のSIerなど)が増加した。ただし、独立系が全ての領域でシェアを落としているわけではなく増加した部分もあるという。それは何か。
独立系がシェアを増やしているのは業務アプリケーション、中でも基幹系システムだという。
まずは調査の背景と概要から見ていこう。
ノークリサーチによると、国内中堅・中小企業におけるIT化はNECや富士通、日立製作所などが主導したオフコンに始まり、複合機やインターネットアクセス回線の普及、独立系の販社、SIerや地域に根差したエネルギー事業者系などによるIT活用支援を経て発展してきた。
今回の調査では、それを踏まえて、ITソリューションの委託先や購入先となるベンダーや販社、SIer 80社以上を、下図のように8グループに分けて分析した。
調査結果によると、ITソリューションの委託先や購入先は、下図のように、2024年から2025年にかけて、グループごとに増減が見られた。特に年商5億円未満の小規模企業層では、図中の赤矢印が示すように、2024年から2025年にかけて「独立系」が減少し、「その他」が増加していることが分かった。
全ての「独立系」が2024〜2025年にシェアを減らしているわけではなく、増加しているケースもある。下図は、年商50〜500億円の中堅企業層における導入割合をカテゴリー単位で集計した結果を2024年と2025年で比較したものだ。上段のグラフを見ると、同年商帯では、「業務アプリケーション」の導入割合が2024〜2025年にかけて増加していることが分かる。
さらに、「業務アプリケーション」カテゴリーの内訳を示した下段のグラフを見ると、同年商帯では「基幹系システム」の導入割合が高まったことが分かる。
調査には、今後導入を予定しているITソリューションについての設問もある。下図は「DX関連ソリューション」の導入予定割合を業種別に集計した結果だ。上段のグラフを見ると、9業種の中では「組立製造業」が最も高い値を示している。
組立製造業種における詳細なDX関連ソリューションの導入割合を示した下段のグラフを見ると、組立製造業では「ペーパレス化」と「センサー+AIによるデータ分析」が全体平均と比較して高い値を示している。
このことから、組立製造業では設計書・部品表などのペーパレス化と、センサーで製造工程を計測し、AIによるデータ分析で効率化するなどの取り組みが既に進んでおり、今後もこのニーズが高いと考えられる
同調査は、国内全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業1300社を対象に2025年7〜8月に実施された。
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