大都市圏以外でIT支出の成長率が頭打ちになる中で、地域金融機関のIT支出は異なる軌道を描く見込みだ。地域金融機関のIT支出が拡大する要因とは。
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高市政権は2025年10月の発足後、地域創生政策として「地域未来戦略」を掲げており、2026年夏をメドに取りまとめる予定だ。前石破政権が2025年6月に閣議決定した「地方創生2.0基本構想」を一部変更し、「強い経済」の実現に力点を置くとしている。
IT専門調査会社IDC Japan(以下、IDC)は、この「地域未来戦略」が地域金融機関や地方自治体の事業計画、IT支出予算に一定の影響を与えるとみている。
同社によると、2025年のIT市場はPC更新需要などにより、各地域で高い成長率を記録した。しかし、2026年はPC更新需要の反動と地域経済の停滞から、大都市圏以外の地域(北海道・東北地方、北陸・甲信越地方、中国・四国地方、九州・沖縄地方)におけるIT支出の伸びが鈍化し、一部ではマイナス成長に陥る見通しだ。
こうした中で、地域金融機関(地方銀行や第二地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農林漁業協同組合の信用事業など)のIT支出は、例外的に堅調な拡大が見込まれる。大都市圏外のIT支出成長率が鈍化する一方で、地域金融機関が伸びる背景に何があるのか。
IDCは、地方銀行における共同化された勘定系システムの刷新や、オープン化プロジェクトの本格化をIT支出拡大の要因として指摘する。これらに加えて、生産性向上を目的としたデジタル化や、収益拡大を見据えたデジタルチャネルの拡充、顧客企業に向けたITソリューションの提供やデジタル化の支援、地方創生のための非金融事業の展開なども支出拡大を後押ししていると同社はみている。
IDCは、「地域未来戦略」によって企業誘致や地元企業支援が強化されることで、地域のIT市場に好影響がもたらされるとみている。一方で、地方自治体や地域金融機関といった地方創生を担う企業や団体は、今後具体化する「地域未来戦略」に沿って、取り組みの優先度の見直しを余儀なくされる可能性もあるとしている。
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