Apple、モバイル広告プラットフォーム「iAd」でGoogleに挑む(2/2 ページ)
AppleのiPhoneアプリ広告技術「iAd」は、Googleのモバイル広告計画にとって脅威となるだろう。「iAdの発表でAppleは勝った」と考えているアナリストもいる。
これまでは、アプリをいったん閉じなければ別の機能を開けなかった。これは古典的なバナー広告とは大きく違っている。バナー広告では、ユーザーがクリックするとブラウザが立ち上がって広告が表示され、広告を見る前に作業をしていた場所には戻れない。
広告をクリックするのを嫌がるiPhoneユーザーも一部にはいるだろうが、少なくとも今のところはAppleがGoogleよりもうまくやっていると感じずにはいられない。
Enderle Groupのアナリスト、ロブ・エンダール氏は、広告収入とアプリを結びつける方法としては、iAdの方がよく考えられているようだと語る。Kelsey Groupのアナリスト、マイケル・ボーランド氏は自身のブログで次のように述べている。
「モバイル広告を構築し、配信し、表示するための大胆だが論理にかなったプラットフォームだ。デバイス、OSと深く統合されていることが、おそらく最大のアドバンテージだろう。これはわれわれが待ち望んでいたモバイル広告、キャンペーンを可能にするだろう」
Googleの広報担当者は、iAdが同社のモバイル広告事業にとって競争上の脅威になるかについてはコメントしなかったが、「モバイル広告が急速に進化し、成長しているというさらなる証拠だ」と語った。
それでもGoogleが懸念する理由は少なからずある。またこのコメントは、米連邦取引委員会(FTC)に有利に働くものだ。同委員会は、Googleがモバイル広告企業AdMobを7億5000万ドルで買収する計画を阻止しようとしている。
皮肉なのは、ジョブズ氏が発表会で認めたように、iPhone向けアプリ内広告の最大手であるAdMobをAppleが買収しようとしていたが、その後Googleが「かっさらっていった」いうことだ。
Appleは代わりに、AdMobのライバルであるQuattro Wirelessを2億7500万ドルで買収し、iAdを開発した。一方、Googleはモバイル広告計画が台無しにされる可能性を懸念している。規制当局が、GoogleがAdMobを買収したらモバイル広告市場でほぼ独占的な地位を得ると考えているからだ。
「これでGoogleの能力にずっと近づいた。Appleは明らかに今回の発表でGoogleに勝った」とエンダール氏は言う。
「テニスのトップ選手が、バスケットボールのトップ選手とバスケで1対1で勝負して、バスケ選手が考えたこともないような動きで勝つようなものだ。Googleにとっては非常に恥ずかしい。今回の件では、Microsoftの人たちは怒るよりもむしろ、こっそりAppleを応援しているだろう」
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