Androidがモバイル市場を制する10の理由(2/2 ページ)
Android端末が米国で第1四半期にiPhoneよりも売れたという調査報告が話題になった。市場全体ではまだiPhoneが優勢だが、Androidはモバイル市場征服に向けて着々と進んでいる。
5. 数の力
Googleが示したように、複数のキャリア向けにデバイスを提供するかどうかが、強力な実績を達成するか、迅速に市場を支配するかの違いを生む。単純な計算だ。Androidプラットフォームは複数のデバイスに搭載され、複数のキャリアのネットワークで動くので、iPhone OSのようにキャリア1社だけに対応したプラットフォームよりも早く市場シェアを拡大できる。AppleがAT&Tとの独占契約を続ければ、Android端末はもっと多く売れるだろう。AT&Tに乗り替えたくない消費者と企業顧客が、現実的な代替選択肢となるAndroid端末を別のキャリアで見つけるからだ。
6. アプリも増えている
GoogleのAndroid Marketが、アプリの数でAppleのApp Storeに追いつくのにどのくらいかかるか(追いつくのであれば、だが)は分からない。だが、Android Marketは急ペースで成長している。それに、同ストアのアプリの大多数は使うに値するものだ。これは、Googleが今後市場を制するチャンスを高めるはずだ。どのみち、開発者はすぐに、Android端末がiPhoneよりも多く売れることに気付くだろう。彼らはGoogleのプラットフォームの方へ注目するようになるかもしれない。それにより、消費者は好みに合うアプリをもっとたくさん目にするようになる。GoogleにとってはWin-Winだ。
7. iPhoneへの熱狂は収まる
iPhoneはベストセラーデバイスであり、尊敬と称賛を集めているのもうなずける。しかし新しいバージョンが出てくるたびに、かつて消費者と企業顧客をとりこにした「あっと言わせる要素」は減っている。顧客は間もなく、Appleが毎年リリースする新バージョンには、かならずしも最初ほどの興奮はないと気付くだろう。これはGoogleに有利だろう。iPhoneへの熱狂が収まれば、消費者は代替選択肢をもっと積極的に検討するかもしれない。最近の調査で示されたように、彼らは別の選択肢を探すときに、Googleを選ぶ傾向がある。
8. 業界がAppleに反発
Appleが強力になり優位に立つことを、モバイル業界は望んでいない。iPhoneの改良が続き、Appleの売り上げが増えれば、業界は携帯電話業界が携帯メディアプレーヤー市場のようになってしまうことを恐れ、反発するだろう。これはGoogleの追い風になるはずだ。Googleも危険ではあるのだが、モバイル業界が1つの企業(Apple)によって今後の方向が決められてしまうことを懸念するのは当然だ。もしそうなれば、キャリアなどの利害関係者は市場をコントロールできなくなり、事業が危うくなってしまうかもしれない。だが、Googleが優位に立っても、同じ結果になるとは限らない。Googleが勝った場合、同社が最も市場シェアを持つかもしれないが、iPhoneのように1社のメーカーのデバイス、1社のキャリアのサービスだけが市場を支配するということはない。モバイル市場は今と比較的似たような状態のままで、Googleが最大の市場シェアを獲得するだろう。成功が広がるため、キャリアも受け入れられる。今後1年は、Googleを支持するキャリアが増えるだろう。
9. 端末ベンダーの支持も増える
ベンダーはおびえている。今の市場でiPhoneがデファクトスタンダードになっていることに気づき、Appleに締め出されたくないと思っている。そのため、各社はAndroidプラットフォームに飛びついている。それは賢明だ。Appleを「次世代」プラットフォームを提供する唯一の企業にさせておく理由はない。これはGoogleにとって朗報だ。端末を提供するベンダーが増えるほど、GoogleはAndroidを多く市場に送り込める。キャリアがAndroid携帯の取り扱いを増やすほど、彼らの同プラットフォームの成功への関心は高まる。
10. Googleにはプランがある
RIMやMicrosoftとは違って、Googleにはモバイル市場支配計画がある。同社は、消費者、ベンダー、キャリアを引きつけるために何が必要か分かっている。市場がモバイル機器に求めているものを理解している。複数のキャリアと多数の端末なしではAppleに張り合えないことを自覚している。今のところ同社の計画はうまく動いている。Androidが好調に伸び続ければ、Appleは遅かれ早かれ、自身のモバイル業界征服プランがかつてほど盤石でないかもしれないということに気付くだろう。
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