Google、iPadとiPhoneの検索エンジンに関する提携をAppleと更新
モバイル広告やうわさの音楽ストアなどで何かと火花を散らす両社だが、iPadとiPhoneのデフォルト検索ツールとして、引き続きGoogleのエンジンが採用された。
米Googleは、米Appleとの検索提携を更新したことを認めた。iPhoneおよびiPadのデフォルトの検索エンジンは、従来通りGoogleになる。
Googleのエリック・シュミットCEOは、インタビュー番組でジャーナリストのチャーリー・ローズ氏に対し、その契約についてほのめかした。しかし価格や期間などの詳細については明かさなかった。
だが、こうした取引の条件は2年以上の期間で数億ドルと相場が決まっている。例えば、米Microsoftは米大手キャリアのVerizonに5億ドル払い、Verizonが扱う携帯電話にMicrosoftの検索エンジンと地図ソフトを搭載してもらうことで合意している。
Googleの広報担当者はeWEEKに送った9月24日付の声明文で「契約を更新したことは認めるが、残念ながら契約条件などについてはコメントできない」とシュミット氏の発言と同じことを繰り返した。
Appleはコメントの求めに応じていない。
両社の契約更新は興味深いニュースだ。AppleとGoogleは、モバイルWeb市場での激しい地位争いで、互いの頭に銃を突きつけ合っている。
AppleのスマートフォンiPhoneは、GoogleのオープンソースOSであるAndroidを搭載した端末と競合している。Appleはまた、モバイル広告プラットフォームのiAdを立ち上げたことで、Googleのモバイル広告戦略に真っ向から挑んでいる。
Appleは2009年、米AdMob買収に乗り出し、結果的にGoogle(がAdMobを買収するため)に余計な金を払わせることになった。Appleは米Quattro Wirelessを買収した。同社の人材がiAdを構築し、このiAdはiPhoneおよびiPadのOSであるiOSで稼働するアプリ内広告を提供する。
Appleは当初、iAdと競合するという理由でGoogleやAdMobなどサードパーティーの広告プラットフォームをiOS上で利用することを禁止していたが、8月にこの制約を解除した。
こうした一連の駆け引きから、Appleはデフォルト検索エンジンとしてGoogleを捨ててMicrosoftのBingを採用するのではないかといううわさが広まった。Appleのスティーブ・ジョブズCEOは6月にこのうわさを否定した。BingはiPhoneの検索オプションとして追加された。
今のところ、GoogleとAppleの契約更新は、両社の検索での協力関係を強める。
GoogleとAppleが、お互いの事業をますます浸食し合いながら、どれだけの期間友好的な関係を保てるのかは分からない。
Googleは、AppleのiTunesと競合する音楽ストアを構築しているといううわさだ。実現すればこのライバルたちのモバイルWebでの争いに、新たな要素が加わることになる。
ちなみに、シュミット氏はローズ氏に、最近のGoogleにとっての最も手ごわい敵はAppleでもFacebookでもなく、Microsoftの検索エンジンBingだと語った。
とはいえこれは恐らく単なる瀬戸際政策で、Microsoftの伝統的な競争能力に対するお世辞でもあるのだろう。
Bingの米検索市場シェアは10〜11%で、65%のシェアを誇るGoogleに対抗すべくシェアを伸ばそうと苦闘している。
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